小説
□愛を叫べ
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―――そして二時間後
よろよろになりながらイザークはアスランの部屋へ訪れた
手にはしっかりとハロを握って
「案外早かったな」
アスランは振り向きもせず新たなハロを製作中
カチャカチャと部品が掠れ合う音とイザークの荒い息切れが木霊する
ぽてん、と握ってたハロを足下に落としてフラフラとアスランに近寄る
かと思ったが素通りし、ベッドへとダイブしたイザーク
「すまんが…借り…る……」
アスランが返事を返す間も無くゴソゴソと寝る準備をし、しばらくすると無音になった
耳を澄ませば寝息が聞こえる
流石は軍人
いつでもどこでもすぐさま寝られるように習慣付いている
「…勝負はどうなったんだよ……」
まぁ疲れさせるのが目的でハロを捕まえるように仕向けたけれど
こうなるとやっぱりつまらない
「…ばーか」
小さく呟いても本人には聞こえるはずもなく
虚しく手元のハロを組み立てる
「…ばーか」
くるりと振り返りベッドの山を見つめる
そのまましばらく見つめてアスランは立ち上がった
行く先は勿論ベッドへ
しかしイザークがすでに寝てる為、アスランがベッドの中に潜り込むのは難しい
「バーカ!!」
今度ははっきりと大声で放つ
(愛情表現として罵ってる事を君は知っているだろうか)