小説
□魔法をかけて
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そして彼を囲むようにして五本蝋燭が並んでて
ゆっくりとイザークが振り返った
「……見ぃ〜たぁ〜なぁ〜…」
「ひいぃ!!ごめんなさいすいません許して下さい!!!!」
ディアッカはイザークの形相に思わず拳銃を引っ込め土下座をする
「…ま、終わったし良いがな」
そんなのお構いなしにバサリとフードを外す
蝋燭の灯りで不気味に銀髪が光っていた
「…何…やってたの」
テキパキと片づけ始めたイザークに恐る恐る問う
「……」
しかし答えは返ってくる事がなく、イザークが脇に抱えていた、これまた黒く分厚い本からスルリと何かが落ちた
それを彼が気がつかないうちに拾う
そこには珍しく微笑んでいるアスランの姿が
「……!?」
イザークの真っ黒な姿
取り囲むようにして並べられた蝋燭
分厚く黒い本
アスランの写真
完璧に何かの儀式をしているに違いないと言う考えに思い付いた途端に背後に悪寒が走った
アスランが危ない…!!
ディアッカにしては珍しく昨夜は寝付けなかったらしい
今も彼の目の下は肌色とは別に黒くなっている
「…以上だ。では解散」
隊長の言葉で一斉に緊張感が解ける
が、ディアッカの緊張感はまだ張り詰めたままだ