小説
□魔法をかけて
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カタン、と立ち上がったアスランをジッと見つめる
すると一瞬だがフラリとよろけたのをディアッカは見逃さなかった
『マジでヤバい…!!』
ディアッカが心配で立ち上がったのと同時に隣に居るイザークも立ち上がった
そしてアスランに近寄るとグイッと襟を掴んだ
「イザーク!!何を…!!」
思わず呼んだディアッカを無視して、ジィー…とアスランを睨んでいる
結構な至近距離で
『が…眼力で今度は呪うのか!?』
ヒヤヒヤしながら見守るディアッカ
周りも二人の様子が気になってか、数人が立ち止まって凝視している
しばらくすればアスランの顔がぽわんと赤く染まった
するとイザークは鼻で笑い、アスランを離した
「…顔に睫が付いてただけだ」
そしてそのままイザークは会議室を後にした
その場にいた輩も興味を失ってかバラバラと出て行く
「彼奴何なんだ?……それより、アスラン大丈夫か?」
まだ立ったままのアスランにディアッカは声をかける
しかし返事が無い
不思議に思って肩に手をかけた途端ぐらりとアスランが倒れ込んできた
「ア、アスラン!!?」
驚き、呼びかけも虚しくアスランは苦しそうに呼吸をするだけ