小説

□欠けてしまったもの
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――真紅を纏う姉の場合


自分の事、ミネルバの事で精一杯だった
攻撃してくるやつを撃つ撃つ撃つ
自分が怪我してやられてもやり返す
だって、じゃないと守れないから
この鑑に乗っている大事な人達を、あの綺麗な国、プラントにいる大切な同胞達を

守る事で精一杯だった

だから私ももっと強くなって、空を翔る彼らのように守るだけじゃ無い戦い方をしないと
もっと守れるように

そんな想いを巡らせるようになったのは英雄と讃えられた彼が私達の目の前に現れてから
その気持ちが強くなった
彼のような強さを欲した


「……う…そ、」


そんな目標となった人物がまさかやられるなんて誰が思っていたの?考えていたと思う?
誰も思ってる訳ないじゃない!!だってザフトの伝説のエースなのよ?

その人が落とされるなんて、そんな事有り得ないのに


「なん、で…?……アスランが…?」


自分が怪我した痛みを忘れた
それ程に衝撃が強かった

私達の隊長が

周波数を合わせていたスピーカーから妹の悲鳴が聞こえた


ねぇ、敵って誰だよ…って私に問い掛けた時があったじゃないですか
今日その答えがやっと出ましたよ隊長


(貴方を倒した彼が敵で正解ですよね)
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