小説

□純粋な心は捨てたんだ
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アスランが来る、と聞いた
多分奴の事だろうから仕事の事についてだろうと分かっている
だが、奴が仕事だけでこの艦に来るのでは無い事ぐらいも分かっているのだ

――恋人との共有の時間を過ごすため

そんなアスランの恋人はその情報が入った途端に浮かれ、その日から出された仕事は彼にしては珍しく着々とこなしていった

そしてアスランが来る前日、実に面白い場面に遭遇した俺は、歓喜に満ち溢れて明日を迎えた










「アスラン、久しぶりだな」

「イザークも元気そうでなによりだよ」

この艦の隊長として出迎えてくれたイザークに軽く挨拶を交わす
今回この艦に来たのは新しく開発されたMSの性能やら何やらの説明しに、だ
そんな事ぐらいなら来なくても良い事なのだが、久しぶりに同僚達に会えるし、有効に使わせて貰おうと引き受けた仕事である

「あれ?」

イザークの横にいつも控えている人物が居ない
アスランの言った意味を把握したイザークは鼻で笑った

「貴様が来ると知ってからずっと仕事詰めでな。多分無理をしたせいか少し休んでるらしい」

その事を想像したのだろう、アスランは嬉しそうに笑った
どくん、とイザークの鼓動が高鳴る

「ディアッカらしいな」

アスランとイザークは笑い合った
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