小説
□鏡越しの恋
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「すみません、驚かせてしまって…さ、こちらへ」
爽やかな謝罪にアスランは首を小さく横に振った
そしてシャンプー台に案内され、後ろに着いて行く間、照明に輝く彼の銀髪を見つめていた
「痒い所はありませんか?」
シャカシャカと藍色の髪を泡立てていく。イザークの言葉に小さく頷いた。目を閉じて指圧マッサージを堪能する
(気持ちいいな…)
「……ふっ」
そんなのんびりとした雰囲気の中、彼の笑みが聞こえた。疑問を浮かべ、目を開く。だが、そんな事をしても顔が見られる訳でも無いのだが…そんなアスランの気持ちを察したのか、再びイザークが笑った
「あまりにも貴女が気持ち良さそうなので、嬉しくて」
(ガーゼで顔隠れていたのに…まさか、だらしなさが出てたのか?!)
恥ずかしさで体の全身に熱が帯びる
「では、起こしますよ」
シャンプーが終わっても火照った顔は冷める事無く
(とりあえずこれ以上嫌われ無いようにしないと…)
まだ嫌われていると決まった訳じゃ無いのにそう意を決した