小説

□感謝を込めて
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望んだのはアナタの





待ち合わせ場所と時間を知らせたのは昨日の夜

そして今、その待ち合わせ場所であるショッピングモールの一番大きな時計台の所にイザークはそわそわしていた
表情には出ていないが、目線があちらこちらに泳いでいる
蒼い髪の人を見付けてはドキドキし、「あの」と声をかけられ振り向けば知らない女性がナンパをしてきた
只今の時間、11時10分
昼ご飯を兼ねて、待ち合わせ時間は11時30分にしたのだが、ショッピングモールに着いた時間は10時50分ぐらいだった

近寄ってくる女性を適当にあしらう
が、次から次へと話し掛けられる
その数、6人

「あの…」

またか、とイライラしながら眉間に皺寄せ振り返る
大概、その彼の表情で女性達は諦めていった



「あ…」

イザークの不機嫌な表情に翡翠の瞳が揺らめいた

「ご、ごめんなさい。随分待たせてしまったみたいで…」

アスランはしゅんと落ち込み、その顔が伏せられる
ぎゅっとその手に握られたスカートに皺が生まれた

「あ、いや。違うんだ。えーと…」

落ち込むアスランを失礼に思いながらも見つめる

いつものようなラフな格好では無く、ふわふわなパステルカラーのロングスカートに七分袖の(やっぱり)パーカー。でもそのパーカーのフードにはレースがあしらわれている
そして自分が切ったその髪の毛は綺麗にワックスでセットされているようだ
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