小説

□そして静寂の骸となる
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その日の全世界のニュースは全て同一の内容で占めていた

――ホールで演説中に狙われたプラントの議長、ラクス・クライン。一体何が!?――
そうテロップで伝えられる事件に俺とカガリは朝から顔が真っ青になった
幸いにも心臓ではなく左腕を撃たれ命に別状は無い…とキャスターが落ち着いた口調で告げるが、気が気でない

「テロ…の仕業なのか?」

カガリは表情を引き締めて呟いた
俺は首を横に振った

「テロならば、もっと被害があった筈だ。しかも狙われたラクスは死んでいない…」

犯人が何の目的で行動したのかは分からないが、何故ザフトはラクスを守れなかったのか
守りのザフトは強い筈なのに
なのに何故狙われた?それもホールという密室。犯人がもし外に出ようものならすぐに見つかって捕まるだろう
なのに犯人の足取りも分かっていない
そしてプラントから発せられた発表も重大な事なのに意外にもあっさりとしたものだった

「……内部」

まさか、とその考えを振り払うように俺は頭を振った

「…ラクスの見舞いに行きたい」

「いや、駄目だ。いくらカガリでもこんな状況の中ラクスの元には連れて行って貰えないし、プラントに入れるのかも…」

でも、と渋るカガリに他の議員達も止めに入る
仕方無く、オーブから見舞いの言葉をプラントへ送る形になった


だが、それで終わりではなかった
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