小説
□美しき世界
2ページ/4ページ
落ち着く為に息を吐き出す
外では雨が降っていて、自分の荒い呼吸とその雨音が混ざっていた
「んぁ…」
ゆっくりと腰を浮かせば、ズルリと熱が走る
そしてそのまま腰を落とす
その繰り返し
暗い部屋の中
雨のお陰で月明かりなんて無いのに、寝たままの彼の髪は銀色に輝いている
その瞳は楽しそうに細められていて
綺麗な澄んだ青
舐めたらどんな味がするのだろうか
「は、ぁっ……い、ざ」
熱を孕むそこに、ぐっと力を込める
生々しい形が身体全体に伝わって身震いした
「なんだ、もう終わりか?」
少しだけ息を詰めたイザークが笑った
それにムッとして俺はまた動き出す
「べつにッ…、あ…!」
急に腰を掴まれ、熱が奥深くを抉った
その刺激で中途半端に止まった腰はそのまま固定され、さらに快感を送り込まれる
「あっ、あ、ぃざ…うご…く、な、ッ」
俺の制止の声に、ピタリと動きが止まる
イザークは腹筋の力だけで上半身を起こした
「…手伝ったら悪いか?」
少し掠れた声に俺の身体の奥がじんじんと熱くなる
「ん?」
ちゅ、と耳にキスされると同時に濡れた音が直に響いた
「なんか言え」
耳の中に舌先が入れられ、時折イザークの息が俺の聴覚を犯す