小説
□美しき世界
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「そーいえば雨、止んだな」
ぐったり…と、ベッドにうつ伏せで沈んだ身体は寝返りを打つのが辛く、首だけを隣に座って居るイザークに向けた
「セックスに夢中だったからな貴様」
だから気が付かなかったんだろうと鼻で笑われる
「…また部屋干しするぞ」
悔しさあまりに出た言葉
それはこの事の始まりの原因だったりする
実は乾燥機があるにも関わらず、俺は洗濯したものを部屋干ししたのだ
たまには乾燥機なんかに頼らないでみようか、と言う下らない気持ちで
しかし、その部屋干しされたシャツをイザークが着るや否や、なんだこの臭いはっ!と詰め寄り、素直に白状したのにお仕置きと称して、行為に持ち込んだという訳で
しかも俺からイザークに跨がってと言う恥ずかしい目に…
「なら、今度は外でするか」
奴なら本気で実行しそうなので俺は文句を言うのを止めた
「でも…」
ふと言葉を区切る
「……なんだ?外でしたいのか?」
にやにやと笑うイザーク
太腿を抓ってやった
「いッ…!」
「もういい!」
「貴っ様…その腰使えないようにしてやる!」
「…ッ!やめろ変態!オカッパ!触るな!この外道!!」
「言い過ぎだあぁ〜!!」
ギャアギャア騒ぐ俺達はまた降り出した雨に気が付くことは無かった
二人の世界は雨の中に
end.