小説
□ふいうち
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「“日頃出来ない事”だってさ!アスランに決闘申し込めよ!一石二鳥だぜ!!」
ニコルに続き、ケラケラ笑うディアッカ
ほーう。そんなに俺の拳を受け止めたいようだなディアッカ
無意識に指を鳴らしていた俺にディアッカは気付いたらしく、慌てて懐から一枚のディスクを俺に差し出してきた
「そ、そう言えば!これアスランに…」
「あ?!」
“アスラン”と言う言葉に思わずディアッカを睨み付ける
「わ…渡して下さい……お願いいたします…」
敬語で尚且つ語尾が小さくなっていく
ニコルもそんなディアッカをフォローする
「これから僕達、クルーゼ隊長の所に行かないといけなくて…」
そう言えば朝礼の時に言われていたな……と、なると…
「……チッ」
俺が届けないといけない訳で
舌打ちを残して二人の居る談話室を出てきた。向かう先は勿論、憎きアスラン・ザラの部屋
何が悲しくてアイツにこの俺がわざわざ届け物をしなければならないのか。そう考えるだけで苛立ちが募る
面倒くさい事は、さっさと終わらせてしまえ
そう結論付いた考えに賛同するかのように、足も早々とアイツの部屋へと動いた