小説

□ふいうち
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談笑室の前を過ぎようとした時、中からディアッカとニコルの楽しそうな声が聞こえてきた。俺が彼らに声をかける前に、ディアッカが先に気付いて俺に手招きをした

「お、イザーク!こっち来いよ」

近寄ってみればテーブルの上には一冊の雑誌。見開きで開かれているページには“占い”という文字がデカデカと載っている

「イザーク、こういうの好きでしたよね?」

ニコルがにこにこ笑う。まぁ俺は民俗学に興味がある。中でもお守りには関心があるが生憎、占いには興味無い。彼らにしたらお守りも占いも同じようなものだろうか?だが、ニコルが楽しそうに占いの事を話すものだから馬鹿にするのを止めた

「えー…とイザークは8月8日だから…獅子座だな」

ディアッカの指が雑誌の上を辿る。コミカルなライオンのイラストが描かれている箇所に指が止まると、その獅子座の占い内容を述べていく

「“アナタに運気有り。日頃出来ない事を積極的にやってみるべし。きっと良き方向へ道が開ける。ラッキーカラーは緑”だってさ」

「なんだその淡々とした内容は…くだらん」

「“ラッキーカラーの緑”って言ったらアスランの瞳の色ですね」

ニコルが可笑しそうに笑う
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