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□理由
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その日、俺はディーノさんと、仕事の話をしてきたところだった。
「十代目、キャバッローネとの会談、ご苦労様でした!」
ボンゴレの屋敷に帰ってきてすぐ、獄寺君が今日の残りのスケジュールを伝え始めた。
「今日の仕事は執務室で何枚か書類を片付ければ終わりです」
「ありがと、獄寺君。あ、今任務に出てるのは?」
「全員が出はらっています。終わり次第、帰ってくると思います」
道理で屋敷が静かなはずだ、と少し失礼なことを考えた。
…俺がそう考えるのも致し方なくない?だって、毎日皆暇さえあれば喧嘩したりもの壊したり、煩くてしかたないんだから。
「帰ってきたら、報告書を出しにはくるはずです」
=仕事増える、だ。泣きたい。
「わかった。じゃあ今ある書類片付けたら、あいつらが帰ってくるまで休めるんだよね」
「はい」
その言葉にホッとして、たどり着いた執務室の扉を開ける。
「こんにちは、ボンゴレ。君に助けを求めたくはありませんが、助けてください!」
バタンッ
俺はとっさに勢いよく扉を閉めた。
「……俺は何も見てない、何も見てない」
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