時流の狭間
□序章
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――第一印象は最悪の一言。あの人自身、存在そのものが最悪だし、当たり前じゃないかしら。
だってね、初対面から傍若無人、傲慢無礼なんだもの。最悪としか言えないでしょう？
しかも思考回路は自分第一としか言えない。私を前にしてそんな人初めてだったわよ。
…つまり、私自身に一切興味を示さなかったのよ。私の病気にも、周りの事情にも、一切。
人として失礼よね。目の前にいる人を目に入れないって。でも、それを無頓着にやってのけちゃう人なのよね。
だからこそプライドが高かった私は、あの人に強烈に反発して、やっきになったのよ。
――全てはあの人に【私】を認めさせるために。
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