時流の狭間
□序章
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――まず出会った当時、私は暗殺者だった。ボンゴレ専属でなくフリーで。それなりに有名だった。
正直なところ、自分がその職に就いた経緯は全くと言っていいほどに覚えてない。
あり得ない?…私は基本時を数えるのも、一人過去を思い返すのも好みじゃないんだ、仕方ない。
ああ、話が逸れたな。つまるところ、私は流されるままに生きていた、ということだ。
…話下手で悪かったな。思い出話すること自体が性に合わないんだからどうしようもないだろう。
流されて生きてきたのに理由はなかった。何一つ。ある意味究極的な惰性ともいえるな。
当然生きている理由も実感もなかった。あのままだったらまず間違いなく早死にしてたろうな。
――でもきっと、アイツがそんな私を許すと言ったから、私は今も生きている。
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