Request
□人生ゲーム
2ページ/11ページ
自分のこめかみに青筋がたっているのを感じながら怒鳴る。
「ヤだなぁ正チャン。リラックス、リラックス♪そこまで怒るならもう戻るよ」
あっさり部屋を出ていった白蘭さんに、何か天変地異の前振れかと周囲を見回す。
しかし、何も変わった様子が無いことに安堵して、再びスパナを見る。
「で、邪魔が入ったけど、さっき持って来たものはなんだったんだい?」
「あ〜…言いづらいんだけど…」
困った顔をするスパナに、ふと、先ほどと何か足りないような気がした。
「君が持って来た物、どこにいった?」
「…さっき白蘭サマが持っていった」
同時に強烈なめまいと腹痛が襲ってきた。
聞いたことが聞き間違いであればと切実に願う。
「うーん、アレ、本当に試しに作ったものなんだけど…使っても、平気、かな…?」
「……っ!……っっ!あんの…っ、バカ上司ぃぃいいっ!!!」
正一の日頃の恨み辛みを含めた叫びに、スパナはこれがジャッポーネでいう『怒髪天を衝く』ということかと、密かに日本の言葉の巧みさに関心していた。
.