《約束》〜君といた夏〜第一部

□幼なじみ
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彼女の名前は間中絵理。

絵理とは物心付いた時からいつも一緒だった。
怒られるのも泣くのも笑うのも何をするのも一緒。
そうやって一緒に育った隣りの家に住む幼なじみだった。

小さい頃の絵理は見た目の可愛らしさとは裏腹に勝ち気で負けず嫌い。
まるでおしとやかってものとは無縁なやつで俺とのケンカは五分五分…いや、俺が泣かされる事が多かった。
将来はウルトラマンや仮面ライダーになりたいとさえ言っていた。

そんな絵理が唯一女の子らしい遊びで好きだったのがままごと遊びだった。
俺はいつも決まってお父さん役をさせられていた。
おまけに普段から絵理はいろいろと俺の世話をやき嫁さん気取りだった。
いつも偉そうにしてるくせに何かとベタベタとまとわり付いていた。
「ひでちゃん、だーい好きぃ」
なんて言いながら抱き付いてくるのだ。
絵理はいつも俺から離れなかったのでどこに行くのも二人は一緒だった。
俺がいる所には絵理がいて、絵理がいる所には俺がいた。
ちょっと度を越した仲良しコンビである。
もっとも他人から見ればただのマセガキだっただろう。
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