《約束》〜君といた夏〜第一部
□俺の夢
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絵理は三歳の時に母親を病気で亡くしている。
母親は身体が弱く入退院を繰り返していたような人だった。
絵理は母親に甘えたい時期も甘えられずにいた。
絵理の妹の由理を産むのも周りからはずいぶん反対があったらしい。
皆の心配をよそに、由理を産んでからはすっかり良くなって治ったかのように見えていた…が、実はかなり病気が進行していたらしく、最後に倒れた時には手遅れだったようだ。
葬儀の時は俺たち二人してわんわん泣いた。
妹たちはまだ小さくて何が起きているのかも理解出来てはいなかった。
絵理の母親は優しく、いつもニコニコしていて絵理と似た凄い美人だった。
俺にとってもお母さんのような人だった。
絵理の母が亡くなってしばらくたったある日
「絵理ちゃん、由理ちゃんちょっと聞いて。今日からひでちゃんと真樹ちゃんのママはあなたたち二人のママになります」
「ひでちゃんママが絵理と由理のママになるの？」
「そうよ」
絵理はしばらく考えてから
「いらない」