《約束》〜君といた夏〜第一部
□告白
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部屋でぼーっとテレビを見ていたら、久しぶりに絵理が来た。
「よっ!なんだなんだ?ぼーっとしちゃって」
「おぅ」
絵理は何事もなかったかのようにテレビを見てケラケラ笑ってる。
…こいつ平然としてるけど高杉先輩とどーするつもりだろ?
テレビがCMになる。
いつもはおしゃべりな絵理が黙ったままだ。
沈黙が続く。
この沈黙が重くのしかかり、時が長く感じる。
実際はほんの数分だったろうが…
先にこの沈黙を破ったのは絵理だった。
「ひでちゃん…あっ…あのね」
「ん?」
「私ね…………高杉先輩に……」
「高杉先輩に?」
…告白されたんだよな…「告白されたんだけど…」
「ふ〜ん」
俺は平静を装ったが心の中はかなり動揺し、心臓が痛いくらいドキドキしていた。
「ふ〜んって他に言う事ないわけ!?」
「で?」
「どーしたらいいんだろ?」
「そんな事を俺に聞くなよ!自分で考えろ!」
どうして俺は絵理にちゃんと言ってやれなかったんだろうか?