sweet fever
□いい加減な気持ち。
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晴れた日の午後、
彼はベッドにうつ伏せで、まるで死んだ人みたいに布団に埋もれていた。
姫『ジョンウンさ〜ん♪
お昼過ぎましたよ。』
寝ている彼のベッドの端に腰掛けて、布団からひょっこり出ている肩を指先でするりと撫でる。
枕から髪の毛の間をぬってイェソンの右目がうっすら私を見ていた。
姫『ウンさん、おはよ〜
´ー`
───もうお昼だよ♪』
寝起きのイェソンは少し弱点が多い。
・テンション高いの苦手。
・うるさいの苦手。
・人と絡むの苦手。
・……つか、触んな。
仕事の日はそれでも彼なりのプロ意識で、文句も言わず機嫌も損ねずに行動を開始するけれど─────、
休みの日は誰も彼には構わない。
声はかけずに、何か用があればメモを残していく。
急ぎの時は彼の携帯にメール。
そして緊急時にのみ私に
『お願い!イェソンに───』
の電話がくる。
それはこうして、
寝起きのイェソンに魚雷のごとく突っ込んでいけるのは私だけだから。
イェソン『────何か約束してたっけ……。』
うめくように話しながら枕に顔を再び埋める。
イェソンは私に対しては絶対に寝起きでも機嫌を悪くしたりしない。
ちなみに、
今回は緊急時ではないですので悪しからず。
姫『どこに行くわけでもないけど、一緒にゆっくりするのもいいでしょ?'∀'』
まだ晒しっぱなしの肩を軽くポンポンと叩いた。
──────っと!
その腕をイェソンが布団の中に引きずり込むように引っ張ったから、
私はイェソンに背を向けるようにベッドに横たわった。
イェソン『じゃ、ゆっくりしよう。』
彼の腕を枕に、後ろから抱きすくめられて私はそのうち一緒に眠ってしまった。