00. Prologue

例えばあの瞬間、そうあの瞬間だ、あの瞬間に誰かが尋ねたとしよう。

逃げるのかと。
逃げるのかダレン・シャンと。

僕は迷わずこう答えるだろう。
誰が相手でも、それがクレプスリーでもカーダでもスティーブでも知らない誰かでも。
絶対にこう答えるだろう。

『違うよ、逃げるんじゃない。』

そして自然と笑うだろう。

『逃げるんじゃなくて僕は―――』












僕は―――――生きるんだ。

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