短編集
□海賊パロ
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補給をしてるみたいだった。みんなせかせかしていた。
「何してるんだろう??」
物陰からそう呟いていると、後ろから幼い声が聞こえた。
「あんたこそなにしてんの??」
「ほぇ・・・??」
「ほぇ・・・??じゃなくて、何してんの??」
そうたずねて来たのは、猫目の緑がかった黒髪をした男の子だった。正直いってカッコイイ・・・。
「ねぇ?」
「あ、えっと、その・・・、朝のお散歩に・・・。」
「ふーん…。」
「あなたこそなにしてるの?」
「俺??俺はみてのとおり海賊のお仲間やってんの。」
確かに見たとおり身なりは海賊そのものだった。
「この地域辺を荒らしてるの・・・??」
「ま、それが仕事だし。」
「だめだよ!!みんなそれで困ってるんだよ!!」
「じゃぁ、あんたは俺達の食の面倒みてくれんの??」
「えと・・・その・・・」
「ね。無理でしょ?俺達だって生きるのに一生懸命な訳。んなこと言われても困るし。あんた良い身なりしてるよね?連れはいないけど、貴族??」
「え・・・?そのぉ・・・」
今ここで自分が王族と明かしてはいけない。きっと攻められてしまうから。
「別にいいよどこの出なんて。それより、あんたあんまり声とか出さない方がいいよ。気付かれるから。」
「それにしてもあなたはなにしてるの??」
「なにって・・・サボりに決まってんじゃん。朝から叩き起こされて働くなんてごめんだね。」
「あなたの仲間なんでしょ??手伝わなきゃ!!」
びっくりした様子でこっちを見て、
「あんたいきなりなに??あんたも手伝ってくれる訳??」
「手伝うから!!あなただけサボるなんてだめだよぅ。」
したから目線で訴えられたら12歳といえど、桜乃の可愛さからしたら落ちてしまうだろう。
「わ、わかったって。であんた名前は??」
「へ・・・?」
「だから、あんたにまだ名前聞いてなかったから聞こうと思ってさ。」
「あ!え!桜乃です。」
「ふーん桜乃ね。」
「あなたは??」
「あ。俺はリョーマ。越前リョーマ。」
「そっかじゃぁリョーマ君。みんなの手伝いしに行こ??」