短編集
□I'm home
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I'm home…
桜乃は笑って俺をアメリカに送り出してくれた。
泣き出しそうになりながら、笑って…。
俺は後ろ髪が引かれる思いで飛行機に乗り込んだ。
心の中で「待ってよ」と言って。
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あれから、2、3回の手紙のやり取りをしたくらいでほとんど連絡はとってない。
というか俺が返す手紙の内容が元気でやっる事と近況報告ぐらいしかして無かったから…
桜乃は毎日元気に過ごしている事、近況報告、テニス部の先輩の話、学校での話、いろいろな事を書いて送って来てくれる。
可愛い字で書いた手紙は、所々迷ったのかペンを置いた形跡がある。
一時、心が和らぐ。桜乃手紙はそんな気さえおこさせてくれる。
俺はアメリカでテニスをしている。テニスの頂点を取ってやると大会に出ている。
最年少ルーキーとして雑誌に名前が乗っていたりする。俺はキョーミ無いけど。
━━━カンッ
郵便ポストに配達か何かきたみたいだ。桜乃からの手紙から目を外して、その手紙の内容を確認する。