短編集


□桜乃の視線 〜両思い編〜
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凄く幸せでその頃は何にも悩みなんか無かった…

でも...テニスをしているあなたを見て不安が襲って来た。
いつもかっこいいけどテニスをしているリョーマ君はまた格別。ボールを追って、ポイントを取っていく。

私以外の女の子が騒いでいる。


リョーマ君は私を見てはいない。変な不安感。

今私の中で渦巻く感情は凄く醜い…嫉妬と不安と独占欲。
きっとリョーマ君が少し私を見てくれればきっと嫉妬と独占欲望は無くなると思う。

でもこの不安はきっと消えない。
今の私はリョーマ君に釣り合っているんだろうか?
こんなに頑張っていてかっこいいリョーマ君に私は付いて行けるだろうか?

考えても解らなかった。
焦りと不安。

「桜乃?」

ハッと顔を上げると不思議そうな顔をしたリョーマ君がいた。

「ねぇ桜乃今何考えてたの?」

言えない。怖くて。
もし釣り合って無いと言われたら…。
怖い。

「ねぇ、桜乃?」
少し苛立ちを含めた声でさいそくする。

言わなきゃいけない。
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