短編
□タイトル未定
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『自由』って何だろう?
幼い頃からやることを決められていた僕には『自由』なんてないし、その意味も分からない
誰も教えてくれない
「お前はそんな事知らなくていい。それより次の任務だ。これは絶対失敗するんじゃないぞ!分かったな?」
ボスに聞いてもそううまくはぐらかされる
僕はいつものように諦めて任務に取り掛かる
いつもと同じ任務
ただ標的(ターゲット)を始末するだけ…
でも今日は違った
標的は…僕の兄だった
僕の兄はボスに逆らい標的を始末せず逃がしたらしい
兄は優しい人だから…
その兄を僕が消さねばならない
僕は悩んだ
悩んで決めた
兄を逃がそうと
そして…僕は兄を外国へ逃がした
その事がボスにばれ、僕は呼び出された
ボスは僕を睨み言う
「何故、奴を逃がした!!」と
僕は答える
「血の繋がった兄を殺す事など僕には出来ないし、それに、兄には自由になってほしいから逃がしました。」
ボスは般若の顔で怒る
「ふざけやがって!!…まぁいい。お前の兄は別の奴に始末させる。そしてお前は私を裏切った罰として此処で死んでもらう。」
僕はフッと笑い言った
「罰は受けますよ?でも死ぬのはボス…貴方も一緒です。兄は殺させない!」
僕がそう言うとボスは高らかに笑い言った
「馬鹿め!もうお前の兄の所には刺客を送ったわい!今頃奴は海の藻屑となっておろう!!フハハハ!!!」
僕はクスクス笑い言った
「兄の場所は僕以外誰も知らないはずですよ?恐らく刺客の方達が倒すのは僕が創った幻覚でしょう。お疲れ様ですね?ボス。…さてそろそろお遊びはここまでにしましょう。さようなら」
僕はそう言うと、銃をボスに向ける
ボスは退きながら言う
「そんなことしても私の代わりなどたくさんいるぞ!!お前はそれでも満足なのか?」と
僕は微笑み言う
「あんたがいなきゃそれで満足だよ」
そして引き金をひいた
その音で警備の奴らが入って来て僕は撃たれた
僕は『自由』になれなかった。
けど兄さんが『自由』を手に入れて幸福ならそれで構わない
だから負い目なんて感じないで?
僕は兄さんが幸福になってくれるなら、それだけで僕も幸福な気持ちになれるから
それだけで…
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