DRRR*

□すてきなはろうぃん。
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【今日はハロウィンと云う事で、イザ兄の家に悪戯するついでにお菓子貰いに来たよ!
紅茶とお菓子御馳走さま。凄く美味しかったけど、ほら、やっぱり私達の目的は悪戯だから☆
と、云う訳でイザ兄には私達とお揃いの黒猫に仮装して貰いました。
白黒灰で良い感じにお揃いでしょ?
で、凄く可愛らしく仕上がったので、静雄さんに写メって置いたから!楽しんでね!
それじゃぁイザ兄、ハッピーハロウィン♪】

◆ ◇ ◆


⇒ 写メの相手が静雄だった場合。


バキィッ

(うわっ!ついにドア壊した!…いや、むしろここまでもった方が奇跡なのか?)

「いーざーやーくぅーん…?」

(そんなこと考えてる暇なかった!!うわわわどうしよう?!)

ガチャッ

(お…俺の人生終わった…!主に羞恥プレイ的意味で)

◆ ◇ ◆


静雄がリビングの扉を開けた時、一見しただけでは、そこには誰もいない様に見えた。

「イザヤくぅーん?どこにいるのかなー?」

間延びした調子で声を上げながら、静雄はゆっくりとリビングの中を進んで行き、そして。

「……何やってんだ?」
「………ほっといてよ…」

ソファから落下した状態で身動きが取れないでいる臨也の姿を発見した。

羞恥からか頬を染め、瞳を潤ませている臨也をみながら、静雄はソファにどっかりと座りこむ。
転がり落ちている臨也を助け起こす、という行為はかけらも見受けられない。
ただ、我が物顔でソファに座り、転がる臨也を見つめているだけだ。

「…何やってるの?シズちゃん」
「【ほっといて】って言ったのは手前だろ?」

しれっとした顔で告げられて、臨也は「言ったけど…」と言葉を濁す。

「出来るなら家から出て行って欲しいんだけど」
「そりゃ、無理な相談だな」
「何でさ?」

ムッとした様な声音で尋ねた臨也に、静雄は声を上げた。「そりゃ…」
ニィと持ち上げられた口角には、いやな予感しかしない。

「こんなメール送ってこられたらなぁ?見に来るしかねえだろ」
「…あいつら、一体何送ったんだよ…」

もぞもぞと何とか体を動かしてソファによりかかる様に体を起こした臨也に、「ほらよ」と、静雄はメール画面を開いて見せた。


From:マイル
Sub :はっぴーはろうぃん♪

Text:
ヤッホー静雄さん!
今日はハロウィンだけど、静雄さんは仮装とかしたりするの?
私達はお揃いで化け猫の仮装をしたよ!
あ、私達って言うのは勿論私とクル姉とイザ兄の事ね!

イザ兄の仮装が我ながら上手く行ったと思うので写真送るよ!

それじゃぁ静雄さん、HAPPY HALLOWEEN!
幽平さんによろしくね♪

あ、そうそう。ちなみに、今イザ兄は身動き取れない状態だからやりたい放題だよ☆

【111031_izanyan01.JPG】
(メール下部には、両手両足を縛られてソファの上でぐったりとしている臨也(勿論猫耳装着済み)が添付されている。)


メールを見終えた臨也は、疲れ切った様に溜息をついた。「それで?」

「シズちゃんはこれを見て何を思ったわけ?まさか本気で今なら殺せるとか思ったのかい?」
「別に、殺せるなんて思っちゃいねえよ…ただ……」
「ただ?」

コトリと軽く小首を傾げる臨也を見ながら、静雄は告げる。

「ただ、んな可愛い事になってる臨也を見に行かない手はないよな、と思っただけだ」

ニ、と人の悪い笑み浮かべて、ソファから体を乗りだした静雄に、臨也は思わず、と云った風に逃れようとし――


ベシャッ


体の自由が利かない事を忘れていたのか、顔から床に倒れ込んだ。

「何やってんだ?」
「……いっそ殺してくれ…」

数分前と良く似たやり取りを交わしながら、羞恥のあまりに臨也は床に顔を埋めている。

そんな臨也の襟首をひょいと持ち上げて、静雄は意地の悪い笑みを浮かべながら、問うた。

「トリックオアトリート」
「…へ?…いや、お菓子ならあるけど…俺、今手使えないし…解いてくれたら持ってくるよ?」

突然問われた言葉に、臨也は間の抜けた声を上げる。
しかし、静雄はそんな臨也に向けてにやりと笑った。

「今すぐは出せねえんだよな?」
「そりゃ…こんな状態だからね…てか、シズちゃん自分で取って来なよ。台所にあるはずだからさ」
「手前が今出せねえなら、悪戯するしかねえよなぁ?」

「ちょ、理不尽…!」

臨也の不満など、どこ吹く風。
まるで本物の猫にする様に襟首をつかんだ状態のまま、静雄は部屋の奥へと消えて行った。

End.

(だ…誰か助けてーーーー!!!)
(此処、手前の家だろ。手前のほかに誰がいんだよ)
(もしかしたら奇跡的に正臣君とか波江さんが忘れ物取りに来たりするかもしれないだろ?!)
(落ち着けよ、そんな可能性殆どねえって事くらい、手前が良く分かってんじゃねぇのか?)
(煩いな!されるがままだなんて黙ってられるか!)

(楽しいハロウィンになりそうだよなあ?臨也君よぉ)
(やっぱり最低なハロウィンだよ!シズちゃんのバカ!!)

(に、しても、やっぱり手前、ネコミミ似合うな。)
(う…れ、しくない!)
(にゃぁって鳴いてみろよ、なぁ、臨也)
(誰が鳴くかぁぁぁぁあああ!!)




変態島を目指したかったのに撃沈しました…。
なんだろう微S島?(笑)





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