DRRR*

□ゲームで臨也君があまりにも(略)
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バタンッ

荒々しい音を立てて、ワゴンの扉は大きく開かれた。
後ろで何やら嘆いている渡草の事など気にも留めず、狩沢はワゴンを飛び降りる。

「セルティさん、早く!」

話を聞きたい、臨也に一言言ってやりたい。
そう告げてついてきていたセルティに声を掛け、狩沢はエントランスへと駆けた。

インターフォンの前に立ち、狩沢はボタンをプッシュする。
しかし、押すボタンは臨也の部屋番号ではない。

『♯000?…狩沢、押す番号おかしくないか?』

不思議に思ったセルティが問えば、狩沢は「大丈夫だよ」と真剣な声音で淡々と告げた。
その言葉の通り、狩沢が【呼び出し】ボタンを押すのと同時に自動ドアが開かれる。

驚くセルティに軽く笑みながら、狩沢はエレベーターへと走った。

◆ ◇ ◆


静かに上って行くエレベーターの中で、『どうして開いたんだ?』と不思議そうに問うてくるセルティに、狩沢は告げる。「イザイザに教えて貰ったの」

『臨也に?』
「うん。前に一回、二人して鍵を忘れてコンビニまで行っちゃったことがあってね。その時に。点検の人とかが入れるようにって、鍵代わりの番号があるんだって」

懐かしむ様に告げる狩沢に、セルティは感心するようにPDAを打った。

『へぇ…それにしても、臨也も案外抜けてる所があるんだな』
「ふふ、其処がイザイザの可愛い所だよねぇ」

狩沢は、そう言って楽しげに笑う。
その笑顔は、いつも通りの明るいもののように、セルティには映った。


そう、臨也の家につく、ほんの一瞬前までは。

◆ ◇ ◆


臨也の家は、鍵が掛っていた。
押しても引いてもビクともしなくて、当然だが、少し揺らした程度では壊れもしない。

狩沢が私を一緒に連れて来たのは、この事が分かっていたかららしい。

池袋から新宿に向かうワゴンの中で、彼女は臨也の家の鍵が鍵束から抜かれている事に気付いたんだそうだ。

全く、折原臨也と云う男は、何か企む時には本当に抜かりがない。
先程のコンビニの話の様に、少しは抜けていても良いと思うのだが。

後で修理代を請求されても困るので、郵便受けから影を侵入させて鍵を開ける。

「修理代は私が払うから、盛大に壊しちゃっても良いよ!」

と狩沢は言ったが、そうも行かないだろう。
臨也の家には、沢山の個人情報があるはずだし。



開け放たれた扉の奥に広がる広い部屋には、臨也の姿はなかった。

「イザイザ…」

隣で、狩沢が崩れ落ちる様に地面へ座り込む。

物がない訳ではない。
資料などはまだ棚に収まっている。ただ、少しいつもよりも量が少なくなっているだけ。

それだけなのに。

薄暗い部屋は、ひんやりと冷たく、寂しかった。

なぁ、臨也。

私が言う事じゃないのは分かっている。
だけど、一言だけ言わせてくれ。

お前は、お前のその無駄に優秀で良く回る頭は。

お前に、この悲しい展開(ヴィジョン)を見せてはくれなかったのか?

どうして、
(お前はここに居ないんだ)


力無くへたり込む狩沢を、慰めてやれるのは、立ち直らせてやれるのは。
間違いなくお前だけだと云うのに。

To Be Continued… ?



続いちゃった!(オイ)
仕事中に臨也君が絵理華様に宛てて手紙とか書いてたらいいなぁ…とか思い立ち(仕事しろ)
気付いたらこの話しの臨也君ぽく書きあがったので、それをアプしたいがためだけに書き始めたのですが…

…あれ?手紙何処行った。(笑)

そんなこんなで今回は珍しく終わりが『End.』ではありません。
だって手紙出したいしね、せっかく書いたし!(そこ?)
まさかのセルティ目線で終了と言う。
そしてワゴン組空気にもほどがある(苦笑)

泉は京平君も渡草さんもゆまっちも大好きです!(謎の主張)
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