ShoutDREAM

□夢の世界で2
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「・・・またここか」
真っ暗でなにも見えない部屋。
幾月か前にきたことがあるような部屋
でも、その時とはどこか部屋の明るさが違う気がする。
前よりもそう・・・暗くなった。
「こんにちは。」
「また会ったな」
まるで俺が来ることが分かっていたかのように
少女は俺の側にきて笑った。
「そうだね」
「で?随分と久々な気がするんだが・・・」
「うーん。今は扉が閉じちゃってるんだよ、君のも」
「扉?」
意味が分からずに首をかしげると、少女は微笑んで指をさした。
その方を見ると、3つの扉が見えた。
開けられないように鍵の着いた扉
まるで錆びてしまったかのような扉
そして、真新しいが開けられないように栓が扉
「一番最初は全部の扉が開いていたんだって。」
少女は、誰かから聞いたかのように話した。
扉は初めは1つしかなかったらしい。
しかし2つ、3つと増えてこのような状態になった。
しかし一番最初に出現した扉はある日を境に開くことはなくなり、いつしか寂れてしまったのだと
鍵の着いた扉はすでに用なしとされ、開けられないように何重にも鍵をつけた。
「最後のは?」
「それは・・・つい数ヶ月前までは開いていたんだけどね。」
まるで、開けたいのに開けられないようにと、内側から栓をしているようだと
「でも、その扉はきっと開くよ。鍵が掛けられないかぎりね」
「錆びることはない、ってか?」
少女はたぶん、と言った。
なんというか不安要素が満点なんだが
「平気なんじゃない?」
急に聞こえてきた声に俺は驚いて振り向いた。
そこには3人の少女
前に見たときにいた生き物はいない。
「私たちの扉、何度か開いたり閉じたりしたけど・・・無事終わったし」
「終わったら鍵がつくんだよ」
「鍵がついてないならば、錆びるか開けられるかの2通り。
錆びる場合はどうしても開けることが出来なくなったときだけなんだよ」
「つまり、あの扉はまた開くってことか?」
「そうそう。あんたは大丈夫なんだよ」
「・・・?なんで俺?」
「さぁ?なんででしょうね?」
くすくすと少女たちは笑った。
最初に俺と話した少女は苦笑している。
3人組はそれだけ言うと離れていった
うーん、よく分からない。
「3人のことはあまり気にしなくていいよ。」
「そう?」
「3人とも、終わっちゃったからね」
「終わった?」
「そ。だから彼女たちの扉には鍵がついてるんだよ」
何重にも閉まってる扉の鍵
遠目からなので分からないが、あれにはきっと鍵を入れる穴なんて存在しないのだろう。
開けられないようにしている、そんな扉。
「今はこの場所自体閉じられてるから全部の扉が閉じてるんだ。
でも、この場所が空けられれば、貴方の扉は開くね」
「俺の扉って・・・」
3つの扉。1つは3人の。
そして彼女たちからの言動からして
「・・・あれが、俺の扉?」
「そうだよ」
いつでも開けられそうな扉。
自ら閉じていたいと、閉じようと望んでいる扉
それならば、あの錆びれた扉は
「なあ、お前の・・・」
「さ、扉があく日がいつか分からないし・・・おいで?」
彼女はにっこりと笑って、俺に手を差し出した。
俺は後ろにある扉と彼女を交互に見て、その手に自らの手を乗せた。
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