勇者文章
□免罪符
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「やっぱアンタは勇者だわ」
「は?何言ってんだ、盾。そんなのあたりまえのことだろう」
ぼそっと言ったオレに、鋼野は想像どおりの反応を返した。
「そうじゃなくってさ。オレこの間、槍崎先生の体見たんだけど、アレを抱こうと思えるアンタはスゲーわ」
ガチホモってのはそういうモンかも知れんけど。
「なにっ?なんで槍崎の裸なんて見たんだ!のぞきでもしたのか?」
「するかーー!なにが悲しくて男の裸なんかのぞくんだよっ」
「女の裸ならのぞくのかよ」
揚げ足とるなよ。
「そうじゃなくて、あの人が勝手にオレの前で脱いだんだよ」
「なんじゃそりゃ。アイツがおまえ誘ったのか?」
ああー、もうめんどくせー!
しょうがなくオレはこの間のことを鋼野に話した。
たく、あんまり嫉妬丸出しになるなよ。
「ははあ、そういうことか」
さっきまでのアセリ顔はどこにいったのか、やたらニヤニヤしている。
「まあそれはなー、アイツが…、お、いいところで。槍崎―!」
ちょうどよく、というかちょうどよすぎねって感じで槍崎が通りがかった。
「何じゃ鋼野。タテ君もいるのか」
オレ「たて」じゃなくて「じゅん」なんですけど…。
もう訂正するのもめんどくせ。
近づいてくる槍崎は相変わらず服を着てれば細身で、とてもあのマッチョな肉体が中に隠されてるようには見えない。
「ちょうどよかったぜ、槍崎。実は盾がな…」
鋼野は槍崎を引き寄せると、襟元を掴んでいきなり胸元を肌けさせた。
そしてそのまま服を引き下ろして、上半身を裸にさせる。
「な、なにすんだー!おまえはー」
槍崎は叫びながら、急いで服をなおす。