01/31の日記
21:32
黒子:彼の手(青にょた黒)
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※黒子が先天的女性。尚且つ青峰がナチュラルにセクハラします。
「寒い。家上げろ。」
いきなり家に来て、しかも僕の了承の声を聞く前に靴を脱ぎ、勝手知ったる家の如く的確にこたつのある部屋へと足を進める暴君…基、青峰大輝の背を見ながら既に諦めたため息を吐いた。
僕の両親は海外赴任で色々な国を転々としているため、必然的に僕は高校生ながら一人暮らしをしている。
「つかテツ、お前いい加減に誰か確認せずに扉開ける癖直せ!いつか変態に襲われんぞ?」
「大丈夫ですよ。足音でちゃんと青峰くんだと分かってて開けたんですから。知らない足音なら簡単に開けません。」
「足音で誰か分かんのか?」
「少なくとも恋人のは分かります。」
さらりと恋人を強調して言えば、青峰くんが気まずそうにどもった。これは彼が照れている時の仕草だ。
(たまに僕から仕掛ければ面白いんですよね。)
慣れられたら反応が面白くない、でもたまに、しかも不意打ちだとなかなか面白くて嬉しい反応が返ってくる。
この瞬間が、僕の密かな楽しみだったりする。
「…っばーか。」
「子供ですか?」
全く、と業とらしいため息を吐きながら一人ぬくぬくとこたつであったまってる彼の足の間に入り込む。
普段はこんな事しないが、今日の青峰くんの反応が余りに可愛いので調子に乗ってみた。
「何、今日は随分積極的だな、テツ。」
「君の反応が可愛くて面白いので。」
「…それ、馬鹿にしてんの?」
「そう聞こえるならそうなんじゃないんですか?」
後ろを顔だけ振り返って口角を上げてみる。
そうすれば青峰くんはむっ、と眉間に皺を寄せた。
明らかに自分の方が劣勢なのが分かって面白くないのだろう。でも僕はこれ以上面白い事もそうそう無い。
―――と、いきなり青峰くんはニヤリと笑った。
「…?なんで…っひゃん!!」
「自分からここに座ったんだから、何されてもいいってコトだろ?」
ニヤニヤしながら青峰くんは後ろから僕の胸を揉んできた。
いきなりの胸への刺激に思わず変な声が漏れてしまって、一気に顔が赤くなる。
そんな僕の反応が楽しいのだろう。さらに遠慮無しに胸を揉み、さらに耳に舌を這わして来た。
「…っ!」
「何、テツ感じてんの?」
(分かってて聞いてる癖に…)
完璧にSモードに入った彼に内心悪態をつく。
しかし彼が言ってるのが正しいのだ。だから余計に悔しい。
そして、更に調子に乗ってきた彼はそのまま手を服の中に滑り込ませて……
――ドカッ!
「うげっ!!」
来る前に彼の鳩尾に肘鉄を喰らわせた。
「おっま…ってぇよ!」
「悪ふざけが過ぎる君が悪いです。気絶しない程度に手加減したんですからむしろ感謝してください。」
別にふざけてねぇっての…
なんて小言は聞こえない振りをした。
明日も部活なのにこんな絶倫体力馬鹿の相手なんか出来ません。
(…もし、明日が休みだったら…)
そしたらきっと僕は彼の手に身を委ねてしまうだろう。
非常に不本意だが……彼の手は気持ちいいのだ。
「僕みかんが食べたいです。」
「はいはい…ったく、我が儘なお姫様だことで!」
そうぶちぶち言いながらも綺麗に剥いてくれたみかんを僕の口まで運んでくれる彼が好きだ。
「あ、0時になったな」
青峰くんがそう言って、時計を見れば確かに0時を指していた。
「1月31日、誕生日おめでとう、テツ。」
「ぁ…!」
1月31日丁度0時に耳元で囁かれた言葉に、不覚にも涙ぐみそうになった顔を両手で隠しながら
「ありがとうございます…」
と小さく呟いた僕の頭を優しく撫でる手は、とても気持ちが良かった。
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今日さゆこさんと話した青黒にょたを誕生日風味に小説にしました。
そしたら自分でビックリするほど甘くなった罠。
…さゆこさんマジックだと思います(笑)
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