02/04の日記
23:41
復活:腕の中の他人の物(ディノツナ)
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気が付いた瞬間、その恋は失恋していた。
「よぉ!ツナ!」
「ディーノさん!!」
冬、と言っても最近は暖冬のおかげかそれか日本だからなのか。思ったより寒くない日が続く2月上旬…というか、2月4日。
実は、オレの誕生日だったりする。
もう20も超えた大人が誕生日ではしゃぐつもりは無いが、それでもまだ特別な日だから、何かいいことがないかと期待して過ごす。しかしただ部下に盛大なパーティを開かれるのが毎年。それだげの誕生日ばかり送ってきた。(別にそのパーティーに不満があるわけではない。寧ろありがたい。)
…でも、待っても仕方ないから、今年は行動に出てみた。
「どうしたんですか?日本でお仕事が?」
「いあ、最近仕事に一段落着いた所なんだ。で、休みに来た。」
「そうなんですか。あ、玄関で立ち話もあれなんでとりあえず上がってください。」
「おう、じゃまするぜ。」
上がれば元気なチビ達が遊んでて、ママンが洗濯物を畳んでいた。
「あら!ディーノ君いらっしゃい!ちょっとまってね、いまお菓子や飲み物用意するから!」
「いいよ、そんなに気を使わなくて。今日はツナの顔見に来ただけだから。オレの事よりママンの事してて。」
「あらそう?」
じゃぁお言葉に甘えて買い物でも行ってこようかしら、なんて笑顔で言うママンに軽く挨拶をして、そのままツナの部屋へと向かう。
「そういえば、今日部下の人は?」
「あぁ、家まで送ってもらった後、離れた場所で呼ぶまで待機させてる。」
部屋についてから、ベットに座る。
部屋は相変わらずこの年の男子にしては綺麗だった。
…その中で見つけた、ツナが着るにしては少し大きなジャケット。
「なぁ、ツナ、この服はツナのか?」
「あ、それ、…雲雀さんの忘れ物です。」
「…恭弥…の…」
さっきまで結構高かったオレのテンションが急降下する。
心臓が痛い。
(恭弥の奴…この部屋に来てたのか…)
「…ディーノさん?」
「あ、あぁ、何でもねーよ。」
どろどろした感情が一気に溢れ出して来たのをなんとか隠してツナに笑いかける。
心配そうな顔をしながらもツナはそれ以上は言及してこなかった。
「なぁ、所でさ、オレ今日誕生日なんだ。」
「え、そうなんですか!?おめでとうございます!!あ、ごめんなさい!オレ、知らなかったからプレゼントも何にも…」
「あぁ、そんなの別にいいんだよ。」
それでも申し訳なさそうにしてるツナに苦笑いが漏れる。
こんな優しい子供をマフィアにしようとしている自分が、とても穢れて思える。
―――こんな、他の誰かのモノである優しい子に恋情を抱いてる自分が、情けなくなる。
恭弥はオレがツナの話を出すと途端に不機嫌になる。
最初はその理由が分からなかったけれど、…二人が、恋人関係にあることは、後で知った。
それを知った瞬間、心臓が痛くて、恭弥に対して何故か憎しみを覚えて…これは、弟分を取られたから、兄貴分としての感情だと言い聞かせるにはあまりにも酷い激痛だった。
「…あ、じゃぁプレゼントのかわりに、一つだけお願いしていいか?」
「勿論です!!なんですか?」
しょぼくれていたツナはその言葉に顔を上げて、期待の眼差しを向けてくる。
「眠たいんだ。だから、ツナ抱き枕にしてちょっと寝かせて?」
「へ…?そ、そんな事でいいんですか?」
「勿論!」
「別にいいですけど…オレやわらかくないですよ?」
「うーん、というよりも、ツナを湯たんぽにしてーの。ほら、」
そう言って両手を広げれば、何の警戒もせずに腕に入ってくる子供。
いや…オレが信用されてるだけか?
(恋人が居るくせに…簡単に他の男の腕の中に入って…)
――このまま、無茶無茶に抱いてやろうか。
――それで脅して、恭弥と別れさせて、オレだけのツナにしてしまおうか。
腕の中の子供を見ながら、そんな思考が頭を過ぎる。
「っ…、お休み、ツナ。」
「はい。じっとしてますから、お休みなさい。」
無邪気に笑うこの子が愛しくて、欲しくて…。
―――それと同じ位、この子には幸せになって欲しくて…
(好きだ、好きだよ…愛してる…ツナ。)
叶わないのを分かってても、この気持ちを忘れる事なんか出来なくて。
このまま攫ってしまいたい衝動と、幸せを願う気持ちがぐちゃぐちゃになる。
(せめて…今日位は…)
愛しいこの子を腕に抱いて、叶わない願いを夢で見れたら、そう思いながらオレはゆっくりと目を閉じた。
―――――――
ディーノさんのお誕生日にディノツナを!!!
と思って書き出したらとんでもないシリアスな話になりました。
どうやら私の中ではディノツナはシリアスに走りやすいらしい。きっと雲雀さんが邪魔してる所為だと思います。
時間軸は現在でおねがいします。
日常的な…いつか…。
全然祝ってない(寧ろ苦しめてる)けどディーノさんハピバ!!
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