04/04の日記
21:27
図書館:全部カミサマに返してあげる(柴→郁・切)
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生まれ持った美貌も。
ずっと維持してきたスタイルも。
優秀だと自覚している頭脳も。
作り続けてきた人脈も。
全部全部、そんなモノはカミサマってやつに返してあげる。
そんなものいらないから……だから……
「男に…なりたいなぁ…」
「何、急に…?」
今日の業務も無事終了して、部屋でまったりしている時に思わず出た言葉に笠原が怪訝な表情を向ける。
「いや…まぁ、なりたいのよ。」
「意味わからないから!美人で頭も良くてモテモテでスタイルも抜群なあんたが女でいる事に何の不満が!?」
「別に不満なんて無いわよ?強いて言うならアンタの美脚が欲しいかしら?」
「この贅沢者!!それに…私の足ってそんなにいい部類なの?」
「まぁ!自覚無し!?よっし、んじゃぁ綺麗なのを証明するためにベストショットで撮ってあげる!」
ごそごそと携帯をカメラモードにして笠原のジャージズボンに手をかける。
そうすれば流石に女同士でも恥かしいのか顔を真っ赤にして抵抗する。でもつい最近手塚に力加減の事を注意されたばかりだから思わず力を緩めた時を狙って一気にずり下ろした。
「ぎゃーーーー!!!やめてーーー!!!」
「大丈夫大丈夫!!下着は映さないから!てか、このスカート履いて!あ、あとニーソもあるわよ?」
「ふざけんな!!」
「じゃぁそのTシャツ一枚の姿を残したいの?」
「それもやだー!!」
「じゃぁスカートとニーソ履く?それかもうそのまま……」
「わかった!履く!履くから撮らないでぇ!!」
カメラを構えて追いつめると半泣きでスカートを取った。
そのまま渋々と言った感じでスカートとニーソを履く笠原を見る。
(悔しいなぁ……)
ちょっとからかっただけでこんなに可愛い反応を返してくれる、純粋な子。
純粋だから、私がキツイ時とか、一番欲しい言葉を掛け値無しにくれる子。
―――初めて、本気で好きになった…子。
(私も馬鹿よねー…)
よりにもよって好きになったのが同姓。しかもその子には王子様付き。
まだ自覚はしてないし、王子様に気付いてもないけど…二人がお互いを想い合ってるのは傍から見れば一目瞭然だ。
「柴崎―着たよー?」
「よっし、んじゃそこのベットに腰掛けて。んで、少し内股ね?」
「あー…はいはい。」
もう抵抗するのも諦めたのか、素直に従ってくれた。
「はい、撮るわよー?」
そうして安っぽい機械音がして、私の携帯の画面にちょっと恥かしそうにしてる笠原が写る。それを保存してカメラを閉じる。
「はい!どうよ、綺麗でしょ?」
「うーん……なんか柴崎のと変わらなくない?」
「そんな事ないわよ!!!私も美脚の部類には入るけどあんたのが極上だから!」
「そうなの?…まぁいいや。とりあえずそれもう消して??」
「えーー?」
「『えーー?』じゃない!!」
これ以上ごねて苛めると笠原は拗ねて当分機嫌を直してくれなくなりそうだから素直に消す。
「はい、これでいい?」
「よし。」
そうしていそいそと折角着たのにもう着替える笠原に見えないように、こっそりSDカードのフォルダを開く。
そこには、先ほどの写真。
(これくらいはいいわよね……どんなに頑張っても、“私”じゃ笠原の一番近くに居られないんだから…)
生まれ持った美貌も。
ずっと維持してきたスタイルも。
優秀だと自覚している頭脳も。
作り続けてきた人脈も。
全部全部、そんなモノはカミサマってやつに返してあげる。
そんなものいらないから……だから……
「…やっぱり、男になりたいな…」
(そうすれば、まだ私にも戦うチャンスがあるじゃない…)
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やっぱり同姓だから言えないと思ってる柴崎さん。
男なら郁ちゃんが王子様の事知らない内にいろいろ策を巡らせて手に入れる自信があるだけに、自分の性別が悔しい感じ。
でもきっと柴崎さんなら郁ちゃんに手出せると思います←
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