05/13の日記
20:10
保神:僕の心臓を痛くするのは(ハデアシ・アシ誕)
---------------
5月13日。晴れ。
今日は実は僕の誕生日なんだけれど、そんなこと誰にも言ってないから皆が知るわけも無く。
だからいつもとなんら変わりの無い日常を過ごしていた。
「あー次の授業が終わればやっと飯だー!」
「わかってるから騒ぐなよ。余計にハラ減る。」
「んだよ、騒ぐくらいはいいだろー。イケメンの癖に器のちーせー男ですね藤くん?」
「てめーが君つけんなきもちわりぃ。」
二人の中身の無い喧嘩腰のやりとりを聞きながら、あと1時間もしないで会う先生の顔が浮かんだ。
…僕はいまだに先生の事を考えると心配で心が締め付けられるような気分になる。
先生は大丈夫だって言った。美作君も心配のしすぎだって。だけどどうしても僕は先生が僕たちを守るために自分を犠牲にしているようでこのままでいる事に違和感が付きまとって仕方が無かった。
(ハデス先生は…もっと自分の事をいたわるべきなんだよ。)
本当に、先生の事を考えると心臓が痛い。
そして4時間目終了のチャイムが鳴って、教室が開放感からざわめく。
僕たちはいつもの様にお弁当を持って保健室に向かっていた。
「あ、」
「?どうしたの藤くん?」
「弁当箱ひとつ忘れた。」
「は?今日二つも持ってきたの?」
「おー、なんかデザートだっていつもより箱が多かったのにそれ忘れた……取りに行くのめんどくせー…」
確かにもうだいぶ教室から離れてもう直線距離に保健室が見えている位置まで来てた。
「…アシタバ、取ってきてくんね?中のデザート少し分けてやるから。」
「別にいいよ。藤くん関連のお使いなんかいつもの事だし。藤くんのかばんの中にあるの?」
「そうそう、そん中にあるから。よろしく頼むわ。」
僕のお弁当を藤くんに渡して僕は来た道を引き返し始めた。
教室はお弁当の匂いが充満していて、空腹のおなかには少し堪えたけど、目的の物を藤くんのかばんから取って、そそくさと教室を後にした。
「もう皆先に食べてんだろうなー…」
その中できっとハデス先生はイキイキとお茶を淹れているに違いない。
―――あ、まただ。
先生の顔を思い浮かべると、また心臓が痛い。
どんだけ先生の心配してるんだろうか僕は、と自分自身に呆れながら。僕の足は保健室へと向かう毎にどんどん早足になって、直線距離にまで来るとなぜだか走っていた。
(何で走ってるんだろう…)
よくわからないけど、ただ、ハデス先生の顔を見たいと思った。
…そんな直ぐに先生が消えてしまう訳じゃないのに。僕の心配性は度を越していると自覚せざる終えない。
藤くんのお弁当箱はあまり揺らさないように走って、保健室のドアに手を掛けて、思いっきり引いたら…
――パンっ!パパンッ!!
軽い破裂音と、僕めがけて飛んでくるカラフルな紙と…いつものメンバーのしてやったりな顔。
「「「アシタバ(君)誕生日おめでとう!」」」
「は……え、おぇ????」
「アシタバ―、顔間抜け面になってんぞ?」
「全くみずくせーじゃねぇか!誕生日ぐれぇちゃんと言えよな!藤といいアシタバと言い自己主張の無い奴等だぜまったく。」
「兄貴が兄さんの誕生日を教えてくれなかったら危うく知らずに過ごすところでしたよ。」
「アシタバ君、はい。座って!先生がケーキも用意してくれたんだから!」
皆の言葉を聴きながら、やっと状況を理解し始めた。
「アシタバ君。おめでとう。」
「あ、先生…あ、ありがとうございますっ!」
そういって目の前に出されたのは僕の名前の入ったケーキだった。
サプライズのこの状況に嬉しさがじわじわと込みあがる。
「み、皆、ありがとう!」
そう言うとみんな笑ってくれた。
なんか急な事で、嬉しすぎて思わず涙が出そうになって、そうしたら先生がいち早く気づいてティッシュを渡してくれた。
―――そしてその手で、僕の頭をやさしく撫でてくれた。
「アシタバ君は幸せ者だね。こんなに君を思ってくれる友達がいて。」
もちろん、僕も優しくて大切な生徒だと思ってるよ。
そういいながら撫でてくれる手の暖かさに安心して。
ただ、なんでだろう。
(“生徒”って言われて…なんでこんなに胸が苦しいのだろう…)
僕の心臓を痛くするのは…いつも先生だ。
*********************
先生への気持ちに無自覚なアシタバ。心臓が痛くなるのは心配のしすぎだと思っているからまだ当分気づきそうにないですね。
そんなアシタバの事を少し特別に思ってるけどまだ生徒だと言い聞かせてる先生とか、ハデス先生の事になると表情を変えるアシタバになぜか苛ついてしまう藤とかがいたりする裏設定もあったり。
皆無自覚すぎてもどかしい!!!\(^▽^)/
しかし最初に…おそらく藤くんあたりが自覚しはじめると一気に動くんだろうなと妄想がとまらない^^
そんなこんなでアシタバ君ハピバ!!!
前へ|次へ
□ コメントを書く
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]