家宝

□隣は君の分しかあけてない
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黄にょた黒




隣は君の分しかあけてない



黒子に僅かな怒りを滲ませて見つめられるのが、黄瀬は一番怖い。
渋る黒子を口説き落として海常へ来てもらった。一緒に全国へ目指そうと約束した。

隣にいてくれることが嬉しく、他のキセキには申し訳ないが喜びを行動で表した。
次の瞬間、泣かせてやるからな!、と宣戦布告されたが受けて立った。

隣に黒子がいてくれれば怖くなかった。

「見ればできる、なんて早川先輩に失礼ですよ。」

好意を無駄にしてはいけません、と冷やかに言えば黄瀬は驚き慌てる。怒らせたら簡単には冷めてくれない頑固な彼女だ、そして非は黄瀬にある。

見たものをコピー出来る能力、これさえあれば教えてもらえなくても自分のものに出来る。早川がリバウンドを教えようとしたら、見ればできると返した黄瀬。黒子はきちんと聞いていた。

「黒子っち、オレの事嫌いになった?」

情けなくすがってもいい、黒子を離すよりはましだった。彼女の思いを、隣を、手放したくなかった。

「反省しましたか?」

「した、したっスよ!」

「それならいいんです。全国、連れていってくれるんでしょう?ボクは、黄瀬君の隣で見たいから。」

隣は、君の分しかあけてません。なんて、言われたら抱き締めるしかない。
大好きっスー!、と勢いに任せて抱き付けば手刀が入るのがお約束。

赤い顔して反撃されてもそんなに痛くない。いや、それなりに痛い。でも、愛故のにの行為だ。黄瀬にだけ、黄瀬だからこその愛情表現である。
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