コルダ

□安息は何処に…
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「ねぇ、香穂さん!一緒にお弁当食べよ!今日は香穂さんのために朝3時に起きて作ったお弁当を持ってきたんだ☆」


「…か、加地君…。気持ちは有りがたい(とせめて思うように努力してる)けど、私ちゃんとお弁当あるからね?」


今はお昼休み。教室は周りで広げられているさまざまなお弁当の匂いが立ち込めている。
その中で、目を輝かせ、傍からみてても片思いで脈なしとわかる状況の中、懸命に一人の女の子の気を引こうとがんばる美少年、加地葵のこの行動は既に日常の風景としてクラスメイトから受け入れられる(てか、無視されている)用になった。
そして、その美少年がアタックを続けている相手、日野香穂子はまだ根強く弁当をどうにか一緒に食べようと必死な彼の言葉を方耳で聞きながらため息をついた。


いくら当たり前になったとしても、クラスの女子からの視線の痛さは変わんない……。その外見、家柄、成績、何をとっても完璧な彼なので、いくら行動がこうでも好意の目は無くならない。だか、こんなに性格に問題があるのにいいのか?と日野は思わずにはいられない。



初めて会ったときはまさかこんな変た……いや、変わった人とは思いもしなかったよ。
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