コルダ

□彼は紳士だと信じていた自分が憎らしい(R-18)
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「日野さん……僕と……付き合ってくれませんか?」


「…はい!宜しくお願いします。」



私達の恋人関係が始まった時の王崎先輩は、とても緊張していて、先輩が緊張する姿なんて初めて見たのでとても可愛いと思った。

私と言えば、いきなりの先輩からの告白だったけど、迷う事は無かった。






──だって私は、密かに王崎先輩に恋してたもの。







その綺麗に奏でられる音も、後輩思いなところも、色々甘い所も、しっかりしてく癖にどこか抜けてるところも……




先輩の良いところもそうでないところも、全部引っ括めて先輩が好き。


そうして、先輩と私は恋人同士になった。




土浦くんや月森くん、柚木先輩や火原先輩、その他色々な友達はものすごく驚いたけど「おめでとう」と言ってくれた。(コンクールメンバーは何故か泣きそうだったけど)


けど加地くんだけは号泣したあとに「やめたほうがいい」だの「僕にしときなよ」だのと言ってきて困った。
まぁ、落ち着かせてなんとか宥めると一言、


「もし王崎先輩が日野さんに変なことしたらすぐ僕の所へ来てね!」


なんて言われたが、あるわけないと思って軽く流した。







今思えば、加地くんは先の事を予期していたのかもと思う。






付き合って2ヶ月はとても清く、綺麗なお付き合いをさせて貰った。




       ・・・・
そしてある日のあの事件を境に、







私は、先輩の本性を知ることになる。
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