06/05の日記
23:06
黒子:甘党は甘い味?(木黒)
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「…あ、」
「?どしたんですか??」
「…ボタン間違えた。」
今日も今日とてハードな部活に精を出し、やっと終わって帰る前に水分補給でもしようと自動販売機に立ち寄った。
そこには既に木吉先輩がいて、お金を入れてボタンを押していた。
そして押した後に木吉先輩が固まった。
何事か…は上の台詞で解るだろう。
「あー!しかもこれブラックだ!」
木吉先輩の手の中にあるのはブラックコーヒー。
自動販売機を見てみればその横にカフェオレがある。おそらくそのカフェオレと間違えたのだろう。
「ブラック、飲めないんですか?」
「オレ苦いの駄目なんだよ。黒子いる?」
「僕も苦いのはちょっと…」
なんたって愛飲料…まぁ飲料であるかはかなり疑問なラインだが、普段から好んで口にしているのはマジバのバニラシェイクなのだ。つまりは僕もそこそこ甘党の部類に入る。
「そっかー…どうしよ。」
高校生の少ないお財布事情を考えれば飲めない飲み物であろうとももったいないという思考が真っ先に出てくるのだろう。
でも飲めないものは飲めない。
そう普段は何考えてるかわからない木吉先輩の表情に丁寧に書かれている感情に少しばかり珍しいものを見た気になる。
(先輩も、考えてる事が顔に出ることあるんですね…)
ほほえましい、なんて言ったら目の前で困り顔をしている先輩に失礼だろうか。
と、何かひらめいた風な表情にいきなり変わった。
「…黒子。」
「なんですか?」
嫌な予感。
さっきまでほほえましい感じに解りやすかった先輩がもう普段どおり、何考えてるかよくわからない雰囲気になってしまった。
その目の前の笑顔が嫌だ。と正直にいえないのはただ先輩だからなだけだ。と思いたい。
「ちょっとだけ目つむって?」
「…はい?」
意図がまったく読めないこの状況で視界を失うのは多少の抵抗があったが、それでもまぁ流石に危険な目に会わせるような人ではないくらいは解っているので素直に目を閉じた。
――カコッ
(…?プルタブを開ける音?)
この状況ではおそらく、というかさっきのブラックコーヒーしかありえないのだが、なんで二人とも飲めないのに今ここで開けているのだろうか…
…ふにっ
(――…っ!!??)
唇に柔らかい感触が当たったかと思うと、口に流れ込んでくる液体。
(苦っ…!)
思わず先輩の胸を突き飛ばして、目を開ければ飄々と自分の口端に零れかけたコーヒーを舌で舐め取る先輩。
目が合えばにやりと表現できる嫌な笑いを向けられた。
「…なにするんですか」
「いや、黒子って甘いから、一緒に食べちゃえば飲めるかな〜って?」
「首傾げても可愛くないですよ。」
「知ってる。黒子の方がかわいいよね。」
「っ!…嬉しくないです。」
そういいながらも顔に熱がたまるのは何でだろうか。
恥ずかしい。特に僕の顔を見て、嬉しそうに笑う先輩がとっても恥ずかしい。
「それと、残念ながら、コーヒーは苦いままでしたよ。」
(甘党だからって、その人が甘いとは限らない)
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木吉先輩が苦いの駄目ってゆーので妄想。
この二人は付き合ってるのかとも思うけど、なんだか付き合ってなくてもチュー位普通にしちゃいそうだな木吉なら。
そして黒子っちは慣れちゃえば驚かない上に拒否もしないんだろうなぁ^^と。
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