06/09の日記
22:59
復活:一日だけの神様(骸ツナ・骸誕)
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※謎の非人間少年ツナと15歳の大学生骸
講義が終わって、大学からそのままマンションへと帰る。
毎日大学とマンションとを行き来するだけの生活を始めてもう2年目になる。
金銭的に困っていないし、必要性を感じなかったからバイトはしてこなかったが暇つぶしに始めてみようか、なんて。
(…退屈、ですねぇ…)
普通の生活の中で異常な僕。
やればなんでも人並み以上に出来て、人の努力を嘲笑っているように取られて、気味悪がられる。
なんせ、この大学に通っている僕の年齢は、現在15歳。
アメリカとかならまだしもここは日本。異常分子はそれが優秀だろうとなんだろうと嫌悪する態があるのがここの文化なのだとあきらめている。
そんなくだらない事を考えながら、家のオートロックを解除して、家に入る。
「おかえり。」
そこにいたのは、いるはずのない見ず知らずの少年。
年は多分僕より少し下くらい。茶色の自由に跳ねた髪と、それと同色の瞳。変声期は迎えていない少年らしい高い声。
「だれですか?君は。どうしてここにいるんです?」
ここはセキュリティの頑丈さが売りのマンションだ。見ず知らずの人間が、しかもこんな子供がその網をかいくぐって侵入できるほど甘い所ではない。
「オレにそのせきゅりてぃってのは効かないよ。あと子供じゃない。少なくとも人間よりずっと年上。」
「…っ!?」
まるで僕の頭の中で考えている事を聞いたかのような返答の仕方に困惑した。
―――それと同時に、わくわくした。
「オレに興味持ってくれた?いいよ。質問してくれれば答えれる範囲で答える。なんたって今オレは君の“神様”だからね!」
にっこり、幼い顔を無邪気に微笑ませて常識では理解不能な言葉をつらねていく目の前の子供に僕の興味はそそられた。人の考えてる事を読み取れ、尚且つセキュリティが通用しない。
つまり、
「君は…“何”ですか?」
(人間なんてものでは、ない。)
基本的に僕はそういう非科学的な物も信じている。というか、科学ですべて証明されるような世界では無い事は理解している、と言った方が正しいだろう。
「オレは君たち人間に認識してもらう上で最も近い言葉で言うなら、神様。ただし1日限定。」
「1日ですか。ずいぶんケチな神様もいたものですね。」
「いや、正確には27時間。でもまぁだいたい1日でしょ?」
「まぁ期限はいいです。で、その神様がどうして僕の目の前に今いるんですか?」
「君に引き寄せられたからだよ。六道骸くん。」
「…僕が?」
そんな記憶一切ないし、一体どうやって僕が引き寄せれるというのか。
そんな疑問にも彼は丁寧に答える。
「まぁオレみたいな存在は無意識的にでも望まれれば強制的に人間界に飛ばされるんだ。そこでそれぞれの自動的に知覚する時間の間、その人間にとって望む時空に影響しないレベルの願いをかなえる。そんな感じ。」
「またずいぶんとアバウトな…」
それは仕方ないよ。ってへらりと笑う彼は綺麗だった。
なんとなく、神様ってより天使に近いなんて思ってしまった。
「さて、オレが説明出来ることは以上。これから残り26時間38分、オレは君の願望そのものになる。」
「願望…僕の……」
固まる僕に近づいてくる彼。ゆっくりと伸ばされる腕。
視線が、そらせない。体も、動かない。
…そして、柔らかな感触が唇にあたる。
「残り26時間37分。時空を歪めさえしなければ、世界は君のモノだ。」
―――さぁ、何が、望みなの?願ってごらん?
そんなの沢山あったはずなのに、それらは全部全部飛んでいってしまった。
「僕が、今願うことは…」
その瞬間、僕と目の前の“神様”以外のすべての存在が、この世から消えた。
(君と二人だけでいたいと、願わずにはいられなかった。)
この感情に名前をつけるのに、『恋』という陳腐な言葉以外知らない。
自分の知らない事がまだあったのかと、ため息を吐きながら笑った。
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中二病とか知ってる^^
骸の誕生日だから骸の好きに動かせてやろうという優しさだけぼろぼろのナイロン袋に無理やり詰め込んだらこうなった。感じ。意味解らん!
もう少し続きます。
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