10/02の日記

23:56
黒子:かくれんぼが嫌いな子供(高+黒?)
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※黒子っち幼稚園生。高尾中学生設定。










うちの学校では、職業体験としてオレたちの学年はそれぞれ振り分けられた職場で2日間働くという行事がある。まぁ他の学校も似たような事やってんだろうけど。

で、オレは第一希望をコンビニにだしたけど通らなくて、適当に書いた幼稚園に行く事になった。

餓鬼の相手なんて面倒だけど、まぁ同じ幼稚園で働くのが女子がおおいからそれでおあいことしよう。



「はーい!では今日から2日間、ここでみんなと一緒にあそんでくれる先生たちに挨拶しましょうー!」


若くてけっこう美人な保母さんが教育番組のお姉さんみたいな感じにそう言うと、子供たちは恥ずかしがること無く先生の言う事を聞いて挨拶をする。

…けどとりあえず叫んでる。って感じで正直聞き取りにくい。ああ、餓鬼って面倒だなぁ。


まぁそう思いながらも綺麗なお姉さんがいるといいところを見せようと思うのが男心ってもんで。
だからオレはやんちゃざかりの子供と遊んでそれはそれはいいお兄さんをやってみせた。

よかったね子供達よ。先生が美人で。


「では、今日はみんなでかくれんぼしよっか!鬼は先生と、もう一人たかお先生がしてくれます!みんなは他の先生たちと一緒に隠れてねー!」

「「はーい!!」」

「じゃぁ、数を数えるよー…よーい、どん!」


先生の合図でみんなキャーキャー言いながら隠れ場所を探して教室を出たり、ごそごそする音が聞こえる。
そんなに騒いでたら自分の向かう先を教えるようなもんなのに…そこまで思考が働かないか。

まぁ先生に「場所がわかってもすぐには見つけないであげてね?」って優しく言われたらそうしますよ。美人な先生のお願いですからね!


「もーいーかーい?」


「「もーいーよー!」」


あーあー、そんな大声出したらすぐに見つかるって。ここまで単純だとむしろ笑えてくる。


そしてオレと先生が振り返って、さぁ探そうと意気込んだ。





―――隅っこで、まるで隠れる気がないように立ってる子を見つけた。




(え!?何あれ、隠れてんの?それとも馬鹿なの?)



振りかえってすぐに見つけた子供。一瞬女の子かな、とも思ったけど、ネームを見たらひらがなで「くろこてつや」って書いてるから、男の子だと分かった。

オレがその子供の扱いをどうしようかと迷ってる隣で、先生は教室をきょろきょろと見回して、子供の隠れそうなところを声を出しながら探している。あ、一人もう見つけたらしい。「みつけたー!」なんていいながら子供の手を握っている。


(あ、もう見つけてもいいんだ…)


先生を見て、そう判断した。




「てつや君、みっけ!」

「え…?」


てつや君はオレが笑って(友達に「何企んでる」と大変不評な笑顔じゃなくて、もっと優しげな感じに)そう声をかけると、すっげー驚いた顔をした。


「…たかお先生、僕、もうみつけてくれたんですか?」

「はは、見つけるも何も、てつや君殆どかくれれてなかったじゃん!」


軽くそう言って、言った後やばい!って思った。

もしこの子供があれでちゃんと隠れてるつもりだったら泣かれると思ったから。




結果から言えば、てつや君は泣いた。


でも、悲しくてとかじゃ、無かった。





「…たかおせんせー…みつけてくれて、ありがとぉ…!」


オレのエプロンのすそを掴んで、ただぽろぽろと泣く目の前の子供のそのおかしな言葉に戸惑って、どうすればいいか迷って…


「どういたしまして。」


結局、たいして気の利いた事をいえるわけでもなく、ただそう言っててつや君の頭を撫でた。

エプロンにてつや君の涙がぽとぽとと落ちてくるけど、気にならなかった。





かくれんぼが終わったあと、オレは先生からお礼を言われた。

なんでもてつや君は先生が普段から見つけるのが難しいくらい存在感が薄くて、かくれんぼだと大抵最後か、最悪見つからないうちにおやつの時間で終わってしまうらしい。で、呼んであっちから出てきてもらうと、実はすっごい分かりやすいところにいるのが殆どだとか。


(…そっか。だから「みつけてくれてありがとう」か…)


見つけてもらえないのは確かに悲しいだろうな。必死に見つけてもらえるところにいるようにしてるんだ。だけど見つけてもらえない。


―――でも、オレは即見つけた。


オレの中に巻き起こったのは、巨大な優越感と…少しだけ、あの子を見つけれない先生たちへの軽蔑だった。





「たかお先生…」

「ん?どうしたてつや君。」


かくれんぼで見つけた後からずっとオレの傍を離れないてつや君の目線にあわせながら、にっこりと笑う。


「これ、先生にあげます。」


そう言って渡してきたのはさっきのおやつの時間のクッキー。ひとつ取っておいたのか…。


「いいの?ありがとう、てつや君。」


よしよし、って頭を撫でる。





…てつや君が、初めて笑った。





「っ!!」





(うわ、何だこれ…なんか、めっちゃ嬉しい…!?)





よくわからない喜びを胸に感じながら、会って一日でこれなら明日はどんな表情を見せてくれるんだろうと、わくわくした。








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ショタ黒子っちは天使だと思います。
高尾…お前…これ以上の感情は危ないぞ!変態通り越して犯罪になるぞ!とか思いつつもにやにやしてます。私が変態です。

気分が乗るか、好評だったら2日目の話とか書きたい…かも。(かかないかも。)

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