12/23の日記

23:57
青祓:恋と言うにはあまりに歪で、(雪→燐)
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禁忌に禁忌を重ねたこの気持ちは、もう自分でもどうしようも無いほどに膨らんでいて。


人と悪魔で、男同士で、兄弟で…。


あまりにも世の理から外れたこの感情を、僕はそれでも愛しいと想うんだ。





【恋と言うにはあまりに歪で、】




「雪男―…もう、勘弁してくれ…」

「このくらいで何言ってるの。まだ4ページしか進んでないじゃないか。」

「もう無理!この暗号めいたもの見てると頭痛がする!」

「基本の基本だよ?」


塾と学校の課題を二人でしているこの時間が、実は好きだったりする。
兄さんはすぐに詰まるけど、なんだかんだ言いながらもなんとか問題を解こうと必死なその姿はかわ…いや、好感を持てる。

さっきまで兄さんの作った夕飯を食べて、風呂にも入った。
スクエアは隠して、準備は万端だった。



…僕の心以外は。



なぜ先にお風呂に入ってしまったのかと後悔しても遅い。
お風呂上りの兄さんから香る自分と同じはずのシャンプーの香りが、暖められてほんのり色づいた肌が、眠たい所為か多少潤みを含んだ瞳が、嫌でも意識させられる。


―――僕は、実の兄に家族として以上の好意を抱いている。


それは劣情を含む部類のもので、一応思春期である僕には同じ部屋で、二人きりで、なんて状況は最早毒でしかないのだ。



「…兄さん、」

「んー…ん、」

「…眠いの?」

「ん…」


頭がカクンと落ちては上がってを繰り返し、瞳はもう閉じかけだ。
このままでは課題のプリントを皺にした挙句下敷きにして眠りそうな状態だ。


「もう明日の朝でいいから、寝るならベッドに行きなよ。」

「んー……。」


言葉にならない言葉を発しながら、僕の言葉をは裏腹にそのままポテリと床に転がってしまった。


「…はぁ……」



(本当に、どうしてくれよう……)



自分の前でここまで無防備な姿を晒す兄さんに、欲情しないと言えば嘘になる。
さらけ出された首筋に、自分の痕をつけてやりたくなる。



「…兄さん、起きて。」

「…」

「起きないと、キスしちゃうよ?」

「……」




「…起きない、兄さんが、悪いんだからね?」





そっと、唇を重ねる。
温かくて柔らかな感触に、もっとその先を望んでしまう。




(ああ、好きだ。兄さん…好きだ…)






もう、理性で抑えられないほどのこの気持ちが、愛しくて苦しくて。




恋と言うにはあまりに歪で、愛と言うにはあまりに汚くて、




「兄さん、僕が、兄さんを守るよ。」





抱き上げた兄さんの身体が思ったより軽くて、すんなりと兄さんをベッドまで運べた。

兄さんが起きたとき、再び弟の仮面を被れるように、僕はもう一度だけ、兄さんの唇にキスをした。

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