12/28の日記
23:42
青祓:罰としてご褒美を(雪燐)
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昨日、12月27日。
その日は雪男はどっかの任務に応援に呼ばれて授業が終わってからすぐに学園を出た。
そのまま特に連絡が入ることもなくて、オレは雪男の料理まで作って待ってたんだけど、まぁやっぱり帰ってこなくて…
一人で過ごす誕生日。
今まではずっと雪男とジジイがいたこの日、オレは一人でちょっと豪華に作った料理をやけ食いした。
一人で食べる作りなれないケーキはあまりおいしくなくて、
(ああ、ちょっと失敗しちまってる……。雪男に食べさせる前でよかった。)
【青祓:罰としてご褒美を】
「…に、さん…てたか…」
鳥の鳴く声が聞こえる。じゃぁもう朝なんだな、って頭で分かってても目が開くことを拒むように重くて、鳥以外の声も聞こえるけどオレはそのまま目を瞑っていた。
「ふぅ…まったく……」
呆れたような声。ああ、この声は雪男の声だ。よかった、無事に帰ってきたんだな。連絡も出来ない状況だったんだろうから、きっと大変な任務だったんだろう。ああよかった。無事で。
(おかえり、雪男。)
そう言ってやりたい。言ってやりたいのに、オレの口は動かない。身体も動かない。睡魔がオレの身体を支配してるような、自分の身体なのに自分の思い通りにならないこの感覚がもどかしい。
ああ、今雪男が部屋に帰ってきてるのに。雪男におかえりって、無事でよかったって、
…誕生日、おめでとう、って…言いたい、のに。
「兄さん…風邪でも引いたらどうすんだよ…」
雪男の声がさっきよりも鮮明に聞こえる。あ、もうそろそろ起きれるかな。
いや、頭はけっこうもう起きてるんだ。身体が言う事聞かないだけで。
…なんて、頭の中で言い訳してたら、身体が浮くような感覚がした。肩と膝裏に熱を感じる。
ゆっくり、目を開ける。
「…ゆ、き…?」
「兄さん、おはよう。何床で寝てるんだよ。風邪引いちゃうよ?」
「あー…お前が、だって、昨日帰ってこないから…」
「うん。ごめんね。任務がちょっと手間取ったんだ。ごめんね。誕生日、一人にしちゃって。」
やっと目を開けれたら、窓から差し込む光がまぶしくて。
その光になれてやっと目の前をしっかりと開けれたら、雪男の顔が思ったよりずっと近くにあって固まった。
「…雪男、近い。」
「うん。昨日は僕も誕生日だったのに兄さんといちゃいちゃできなかったから。」
「昨日でもいちゃいちゃなんかしねーよ。何言ってんだ。」
「えーいいじゃん年に一度の誕生日に悪魔退治してきた働き者の弟にご褒美は無いの?」
「任務だろうと遅刻者にご褒美なんかありませんよー…だ。」
「…じゃぁ、罰でいいや。」
そういうとオレをベッドの上にやっと降ろして、そのまま雪男はオレの顔の横に両手を付いてオレの逃げ道を塞ぐ。あ、雪男超笑ってる。嫌な予感しかしねーや。
「罰として、必死に兄さんにご奉仕するから、許して?」
カチャカチャと制服のままのオレのズボンを脱がそうとする雪男の手を思いっきり叩いてやる。
「お前を待ってた所為で風呂に入ってねぇんだから、まずは風呂用意してこい!」
「…了解。お姫様。」
誰がお姫様だ誰が、って小言を言っても雪男はさらっと無視して、部屋の出口に向かう。風呂をちゃんと沸かしに行こうとしているあたり、本当に今日はオレの言う事聞いてくれる気なのだろうか。
「あ、兄さん。」
「何だよ。」
「誕生日、おめでとう。」
にっこり笑って部屋を出て行く弟の背中を見ながら、小さな声でオレも同じ言葉を返す。
(…ばか雪男…!)
弟が帰ってくる前に、どうにか顔の赤みを取ろうと、オレは窓を全開に開ける為に起き上がった。
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誕生日遅刻者は私です。
ツインズ誕生日ふぅぅぅ^p^
この2人は私の中では雪男が告白してるけど燐はまだ返事をしてないような2人な気持ちで書きました。
燐は逃げる為にお風呂用意しろって言ったつもりだが…
…正直このままバスタブプレイに行きそうな流れで「これで恋人同士じゃないとか…USOだろ…!?」って自分で自分に突っ込むぜ・x・;!
遅刻したけど雪燐誕生日おめでとうううううう^p^
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