04/01の日記

23:46
コナン:邂逅記念日(Kコ?)
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この1年に1度の嘘の日に出会った私たちは、嘘の姿どうしの邂逅でした。



【邂逅記念日】



さて、自己紹介からはじめましょう。
きっと皆様もご存知でいらっしゃるでしょう、私は怪盗1412号。皆様から『怪盗キッド』と呼ばれています。
盗んだ宝石は数知れず、その全てを持ち主に返して、下で騒ぐ中森警部たちに笑顔を向けながら空を飛ぶ怪盗です。警察にそうそう簡単には捕まりません。


しかしそんな私を脅かす存在たる一人の名探偵がいます。


名前を工藤新一といまして、これが彼も私に負けず劣らずの有名人ではありますが、今は諸事情で小学生の姿になっております。ええ、初めて会ったときは彼が高校生探偵工藤新一だとは私も知りませんでした。
知ったのはいつでしたかね?まぁそれは今回どうでもいい話ではありますが。



と、長々と説明してきましたが、実は今日4月1日はその好敵手たる名探偵と初めて面と向かって出会った日になります。彼がキッドをキッドとして、私が名探偵を好敵手として、顔をあわせて声を聞いて、会話をして。

今でも覚えていますよ。彼の一言目。僕の質問に対して無邪気な子供の声を出しながら不敵な笑みでこう言ったのです。


「花火だよ」


と。

春の花火なんて乙なものです。
ええ、それはそれは綺麗でした。私の姿を知らせる花火。憎らしくてたまりませんでした。敢えて利用してやりましたが。

それも今ではいい思い出です。
好敵手だ捕まえてやるだとお互い言ってますが、私は何度も彼を助け、私は何度も彼に見逃してもらっています。おや?まるで仲良しですね。友達ですか?いいえ、もっとも出会いたくない恋人です。なんて言ってみたり。



「…何してんだオメーは。」

「花火、ですよ。名探偵。」


子供特有の声変わりしていない声なのに、その声はとても大人びている。その声があと数年分成長したら自分とそっくりな声になることを、私は知っているのです。


「こんな大都会のホテルの屋上で世紀の大怪盗が手持ち花火たぁ随分と不思議だよな。」

「高校生が小学生の姿になるより不思議なことではないと思いますよ。」

「うっせ、バーロ…。」


子供の姿をした名探偵と、キッドの姿をした高校生。
敵なのに同じ空間にいて普通に会話するのが私達の普通なのです。


「で、今日はまたなんでこんな所に呼び出したんだ、コソ泥さんよ。オレに捕まる気にでもなったか?」

「まさか、私は捕まりませんよ。今日は私と名探偵の邂逅記念日ですから、一緒にお祝いしようかと思って。招待状も貴方の好きな謎を含んだものでしたでしょう?」

「子供騙しにしてはすこしレベルの高い暗号文って程度だったな。」

「まったく、手間のかけがいの無いこと言ってくれますね名探偵。」

「あんなのに手間かけてんなよキッド。そんなんじゃぁオレがすぐに捕まえちまうぜ?」



おやおや、一体この名探偵は何を言っているのでしょうか。捕まえちまう、だなんて。



「私はもうずっと前から、名探偵に捕まってますよ。」


パチン、と私の指が鳴る。


名探偵の右手と私の左手が手錠で繋がる。



「捕まえたなら、責任もって飼って頂きましょうか。…あなたが元の姿になる、その日まで。」



さて、今日は邂逅記念日である前に嘘の日でもある。
一箇所だけ、嘘を織り交ぜて、本気に隠す嘘。



“あなたが元の姿に戻る  その日まで。”







そんな期限、嘘に決まってるでしょう?







「やなこった!」





名探偵の発言だって、今日は嘘になってしまうのです。








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人生初のコナン小説が快新邂逅記念だぜ!
あああああ快新でもKコでもとりあえずこの二人萌える。まじ萌える。キッドの魅力は敬語だと思います^^

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