08/11の日記
23:55
黒子:恋に成長する前のお話(黄黒?)
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※黄瀬くんが黒子っちたちより一個年下
※黄瀬君は帝光中学とは違う中学にいる
中学3年の夏。
バスケの才能を買われて色んな高校からスカウトが来ていたけど、でもどうせ自分で行くところなら自分の目で見て決めたいじゃないか。
だから夏は練習の合間を縫ってオープンスクールに何校も行った。
そこでバスケ部を見て決めようと思ってた。
…まさか、そこで運命の出会いをするとは思わなかった。
【恋心に成長する前のお話】
中学3年。
受験だなんだと周りが追われている中、俺はバスケの推薦が複数来ているため、その中から選ぼうと思っているため気を抜いていた。
でも、推薦状が来てるどの高校にも何故か心が惹かれない。自分よりうまい選手がいないのだ。
俺の一つ上の世代で、毎年うちが負けてしまっている帝光中学バスケ部のOBに「キセキの世代」と呼ばれる4人がいたのはみんな知っていることだ。噂では5人目がいたとか聞くけど、見たことないから知らない。
そして俺は中学バスケ界じゃぁ「1年遅れて生まれたキセキの才能を持つ選手」とか言われている。
キセキの世代。俺が1年の時に、一回だけ見たことある。運悪く去年は当たれなかったため、直接戦った事は無い。今のこの学校は俺一人の力で勝ちあがっている。でも一人だけバスケできたって限界がある。もっと周りが強いところでバスケがしたい。
だから、高校選びには妥協したくない。
そのためにとりあえず強いところは出来るだけ回りたかった。で、キセキの世代と試合がしたかった。
そして、目をつけた沢山の高校の一つ、誠凛高校。
新設校で1,2年だけでかなり勝ち進んでる。
東京だから通える範囲だし、新設なら上下関係よりも実力主義だろうと考えてオープンスクールに行った。
つまらない授業や受験の話を適当に聞きながら過ごし、終わったら真っ先にバスケ部を見に行った。
人数はさほど多くないが、練習はちょっと見ただけでうちと同等…いや、それ以上にきつい。
どうやら監督は女子生徒らしいけどよく考えられたメニューなのは俺でも分かった。
「はじめまして、中学生のみなさん。バスケ部監督の相田リコです。せっかく見学に来てくれたんだから、見てるだけよりも、参加しない?」
そんな意気な計らいをしてくれた監督に感謝しつつ、持ってきていたバッシュを履いて練習に参加する。
少し身体を慣らした後、ランダムに振り分けられてミニゲームをすることになった。
中学生と高校生まぜこぜ。高校生は出来るだけ力を均等に分けているが、中学生は監督が見て振り分けたらしい。
「君中学3年?背高いね。よろしく。」
「あ、よろしくお願いします。」
声をかけてきた人は伊月と名乗った。他俺の入ったチームは相手より高校生が少ない。伊月先輩以外にもう一人なんか影の薄い、背の低い先輩だけだ。あと二人はいかにも普通そうな中学生。監督の采配らしいが…まぁ、ちょうどいいハンデだと思う。
「じゃぁ一番背高いし、黄瀬くん…だったよね?ジャンプボールお願い。」
「あ、はいっス。」
試合が始まると、まぁ最初は中学生に動かせたいのか、高校生は殆ど動かなかった。
それをいい事に俺はすばやくボールを奪って、そのままゴールまで走り、ダンクをかます。
…その瞬間、高校生の目が、変わった。
「おい、最初のダンクを中学生に取られてんぞ火神!」
「別にいいよ…ですよ。ちゃんと返しますから。」
「…」
「そんな心配そうな目して見なくても別にこのくらいで怒ったりしてないっすよ、水戸部先輩。」
「あたりめーだダアホ!さっさとやり返すぞ!中坊になめられてたまるか!」
相手の先輩たちは…めがねの先輩がキャプテンで、赤い髪のがエースで、無口なのがCだったっけ?でも見ただけでも、この人たちが強いのは良く分かる。
「それに、黒子が動く前に点とっとかねえと面倒だぜ!」
(黒子…って、確かあの影うっすい先輩…だよな?)
正直すっげー弱そうなのに、なんであきらかに強そうな先輩たちが警戒してるのか理解できない。
後ろを見れば、伊月先輩と、その黒子先輩がアイコンタクトを取っていた。
その、黒とあわせていた空色の瞳が、ふいにこっちを向いた。
「……っ!!」
(奇麗…で、強い、目だ。)
吸い込まれる、気がした。
目が離せなくなった。その奇麗な空色の目には強い意志が感じられた。冷たい色のはずなのに、とても熱く感じたんだ。
「気を抜かないで下さいね。このゲーム、君を主人公にしますから。」
「え…」
黒子先輩が俺へ向けてそう、言った。
その意味を、理解するのは、ゲーム再会してすぐだった。
吸い込まれるように手元に、いいタイミングで欲しいときにくるボール。
――ああ、本当に、まるで主人公にでもなった気分だ。
俺はこのゲームをしながら、高校はここ、誠凛にしようと心に決めた。
「待っててください、黒子先輩。来年の春に、また、一緒にバスケやりましょう!」
「ええ、待っていますよ。黄瀬君。」
かすかに微笑んだ先輩の顔は、それから入学するまでずっと、忘れることが出来なかった。
これはまだ、俺が黒子先輩への恋心を自覚していなかった時の話。
自分の黒子先先輩への思いを、「尊敬」だと、思いこんでいた時の話。
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誠凛高校に入学して、黒子先輩と関わるうちに、ムダに仲良しな火黒夫婦に嫉妬し始めていつしか自覚しちゃう黄瀬ってとこまで妄想したけど形になりませんでしたまる
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