08/23の日記
11:27
黒バス:宝物は他人の腕の中で輝く(坪黒♀←赤)
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8月誕生日のフォロワさんへの誕生日プレゼント1。
ケイ姉さんリクだが8月フォロワさんでまぁ貰ってやってもいいよしかたねーなーヤレヤレって方は…是非。
何より大切な存在だった。ちゃんと愛してたし、自分なりに大切に扱った。
ただ、近くにいると、その大切さが分からなくなった。だから離れても平気だと思った。
…いや、違う。思いあがってただけなんだ。
僕が彼女を好きなように、彼女も僕の事を愛してくれていると傲慢に身勝手に思い込んでいた。それは当時ならば正解で、当時ならば彼女を信頼していると言い換えれる考えだ。今現在はその思想は本当にただの思いあがりになってしまった、それだけ。
僕は、過去の僕は、とても愚かだったんだ。
【宝物は他人の腕の中で輝く】
中学時代。僕の横には黒子テツナがいた。
一応恋人同士という関係だった。
でも部長とマネージャーという関係でもあったし、恋人同士だからといってカップルらしい事は特にしたいとは思わなかった。ただ一緒にいる理由が欲しかった。それだけだった。
クラスは違ったから、休み時間なんかは会わない。ただ昼休みは一緒に昼を食べた。会話はあまりせずに静かな昼を過ごす。その後二人でぼーっとしたり、次の授業の準備をするテツナを見てたり。
でも大半はバスケの話ばかりしていた。部活で今日はこういうメニューを考えている、こいつにはこういうメニューを組ませたい、監督が何時ごろ来るか、今日準備して欲しいもの。
自然と業務連絡みたいな事になって、結局部長とマネージャーという形が出来上がってしまう。
「…で、そのためにもサポートする係がいるから…」
「わかりました。マネージャーで足りない部分は3軍の子達数人に頼みます。」
「話の早いマネージャーで助かるよ。」
「いえ。」
とても恋人同士とは思えない会話しかしていなかった。まだ僕はそれでもいいかと思っていたし、そもそもそこらのバカップルみたいな頭の沸いた行為は馬鹿げていると思っていた。
…いつしか、もう、『恋人』でいる意味さえ、分からなくなってきた。
側に置く手段としての恋人だった。なんで側に置きたいのか、なんで隣にいて欲しいのかなんてことすら忘れてしまった。
―――ただの「部長とマネージャー」でも、テツナは側にいるものだと、思った。
あまりに当たり前に側にいたから。あまりに普通に僕の望むような黒子テツナだったから。
「赤司君にとって、僕ってなんですか?」
「何って、頼りになるマネージャーだよ。」
「……そうですか。」
テツナの言葉が望んだことを、いともあっさり裏切った。
僕は僕の都合のいい黒子テツナと付き合っていて、僕にとっての黒子テツナが側にいる事で満足してしまった。否、満足したと『思い込んでいた』。
中3の夏が終わり、テツナは僕が知らないうちに部をやめていた。
そしてテツナは、僕とは違う高校へ進学した。
ぽっかり空いた穴。隣から感じる低く、しかし温かな体温がない冬は寒かった。
高校に進学して、最初の夏の大会。
テツナは進学した秀徳でもマネージャーをしていた。最初は真太郎に気があるのかと真太郎を呪ったが、違った。
「大坪キャプテン。」
「ああ、黒子。悪いな。」
「いえ、これも、仕事ですから。」
言葉は、僕とテツナの過ごした恋人期間とそう変わらない。
でも、テツナの顔は幸せそうに微笑んでいるように見えた。
心なしか頬が赤かった。
秀徳のキャプテンがテツナの頭をかるく叩いた。
テツナは嬉しそうに、今度は誰が見てもわかるような笑顔を見せた。
僕は、一度だって、テツナのあんな笑顔を見たこと無かった。
僕はテツナが側にいて満足していた。でも、テツナは?
(テツナは、僕の隣にいて、どう思っていたんだ?)
ずっと、考えてこなかった。自分だけの思いで付き合って、一緒にいて、自然消滅みたいな形になって。
でも、どこかで…思いあがっていた。
(テツナは、また、僕のところに戻ってくる。と、思っていた。)
だってあんなに幸せだったから。『僕だけが』幸せだったから。
高校が離れて自然に関係が薄くなっただけで、また、テツナはふらりと僕の隣に…
『お久しぶりです。忙しくて連絡とれなくてごめんなさい。』
また、・・・いつも・の無表情で、そういいながら僕の隣に来ると思い込んでいた。
「……テツナに、触るな……。」
僕は、やっと気付けた。
僕は僕の思っている以上に彼女を愛していたんだ
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