08/31の日記

08:57
黒子:夢のお話(青黒)
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8月誕生日フォロワさんに捧ぐ。
素通りしても持って帰ってもいいです。祝いたかっただけ。








たとえば、僕が女の子だったら、僕たちの関係は少なくとも友達ではなかったと思う。

もっと、もっと赤の他人だった。僕が男で、僕がバスケをしていて、僕が中学の頃から諦めず練習していたから友達になった。仲良くなった。一時はずっと一緒だった。

だから、別に男である事を嫌だとか思ったことはないし、女の子になりたいわけでもない。


ただ、君の隣にいるためのありえない手段の一つとして、ふと思い浮かんだだけなんだ。

きっと、そうなんだ。



【夢のお話】



さて、近頃よく夢を見ます。

その夢の中では僕は女の子です。女の子なのに中学のメンバーと普通にバスケをしているあたりで夢だとわかりました。つねっても怪我しても痛くありません。

そんな僕の夢の世界では、青峰くんと僕が恋人同士になっています。一緒に帰ったり休み時間に話したりする程度ですが、設定的には恋人同士でした。
隣にいる理由が友達ではなく恋人同士だったため現実だったら普通に一緒にいた仲間達が気を使ってきます。おかげで青峰君と二人でいる事が殆どです。そんな夢。

そんな夢の中でも僕と青峰君の会話はバスケのことです。それ以外の話題なんかないのだから当たり前だけれど、でもその一つの話題で話が尽きないから問題なかった。


「テツ、好きだよ。」

「僕もです。大輝くん。」


現実と違ったのは、こんな言葉が別れ際に必ず交わされて、その後顔が近づいてもう少しで唇がくっつきそうになる。、

そこで、いつも目を覚ます。


(…僕は欲求不満なんでしょうか。)


それか変態になってしまったのか、単なる悪夢なのか、誰かの呪いなのか。
欲求不満ならば女の子が出てきてくれればいいのに。自分が男友達と恋人な夢を頻繁に見るなんてちょっと異常だよな…とこの夢から覚めるたびに落ち込む。


それでもただの欲求不満の方がまだいいとか、できるなら単なる悪夢であれと願いつつ、夢について調べてみた。
友人の夢という欄をクリックする。


『友人が現れる夢は、ほとんどがあなた自身を映す鏡だと考えていいですよ。
夢の中の友人の行動、発言にはあなたの本来の姿を表しています。』


そう書かれてあった時、僕はひどく落ちこんだ。

夢の中の青峰君はとにかく僕と常に一緒にいて、そしてキスをしてくるのは何時も青峰君の方からだ。


つまり僕が、青峰君と常に一緒にいたいと、キスしたいと願っているという事なのだろうか。






「テツー?どうかしたのか?なんか元気ねーぞお前。」

「…なんでもありませんよ。」

「の割には人の顔見てあからさまに落ち込んでんじゃねーよ。」

「…はぁ。」

「もーなんなんだよ!!俺なにか悪いことしたか!?」

「いや、本当に青峰くんには関係ないんですよ。僕の人生単位の失敗が現実として僕を苛み絶望させるだけでして。」

「意味わからん。」


夢のおかげで青峰君と顔をあわせるたびに申し訳なさと虚しさと自分への絶望感に打ちひしがれる羽目になった。
しかしこれは僕自身の問題だし、正直僕が青峰君と恋人関係になりたい自覚はないわけで。
むしろ中学の頃に一度離れて、高校まで引きずって、結局なぁなぁでまたたまに一緒にいる今の状況に結構満足している。

高校は別だからたまにしか会わないけれど会えば話もするし、時には遊びもする。正直、これで十分だと僕は思っているんだ。


「僕と青峰君はまぁ普通に友達ですよね?」

「なんなんだよいきなり。本当にテツ大丈夫か?」

「はい。まぁちょっと夢と現との差異に苦しんでいますが大丈夫ですよ。」

「なぁ頼むからもう少し分かりやすく言ってくれねぇ!?」

「つまり僕は今こうして君とたまに話せていることで十分なんですよ。僕は別に君の恋人とかになりたいわけではないんです。だから夢の方がダウト。という結論は出ているんですけど夢診断がそうじゃないと言ってて正直そういったものは多少なりとも信じたい方だったのでそれに振り回されているだけです。」


冷静になれば正直すごい恥ずかしいことを暴露しているのだが、まぁでも夢は所詮夢。…と思っても、心なしか早口になったのは否めない。


「…えっと、つまり、夢で俺とテツが付き合ってて、テツはたんなる夢って思ってるけど、夢診断?ってのはそうじゃねえよって言ってるってことか…ん?つまりどういうことだ?」

「単なる夢のお話です。」

「そ、そうか。」


そのままふたりですたすた歩く。僕はもうこの話は終わったものと思い、今の頭の中には明日のバスケ部での練習について考えていた。

でも青峰君は違ったようで、



「つまり、テツは俺と付き合いてぇの?」


いたって真面目な顔でそう言ってのけたものだから、僕は即座に



「夢の話って、言ったじゃないですか。もうこの話終わりましょうよ。」



そうとだけ返して、青峰君をおいて先へと歩く。
でもなかなか青峰君が追いついてこないのを不思議に思って後ろを振り返ると、彼は満面の笑顔を顔に貼り付けてた。


「なんですか、気持ち悪い。」

「いんや、なんでもねーよ!」





(なぁテツ、気付いてるか?)



(お前、俺と付き合いたいってこと、否定できてねーんだぞ。)







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得意分野は黄黒だけど、まぁみんな大好きだから万人受けするよねって青黒にしましたよ。青黒難しいけどね!
8月誕生日だった咲村さん、ケイ姉さん、44子さん、御戸さん、黄蝶さんおめでとうございました!!

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