10/06の日記

19:52
黒子:コンプレックスの鎖(黄黒ふた、裏)
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※R−18
※黒子先天性ふたなり(女性ベース)

黒子っちの一人遊び描写ありなので逃げてください。



















水泳の時間は絶対に見学だった。前男子がそれを「サボりだ」と言って非難したら教師が焦ったような表情でその男子を怒っていた。

そう、小学校から黒子っちと一緒の女の子が言ってた。

同じ女子だったら何か理由を知っているのかと思って聞いてみたが、その女の子も見学だった理由は知らないらしい


そもそも、修学旅行等の時も必ず一人でお風呂に入っていたとか。



つまり男子はもちろん、女子すらも、彼女のあの細い服の向こう側を見たことが無いのだ。





【コンプレックスの鎖】





「黒子っち。オレの彼女になってくださいっス!」

「丁重にお断りさせていただきます。」

「なんでっスか!自分で言うのもなんスけど、オレかなり優良物件っスよ!?」

「そうですね。ならもっと僕みたいなのじゃなくちゃんと優良物件な女性とお付き合いしたらどうでしょう。」

「オレは黒子っちがいいんス!」

「…でも、僕はお断りしてるんです。」


このやり取りをほぼ日常的に行うようになってもう何年目だろうか。中学3年にあがってから、黄瀬くんが初めて告白してきた。
実はずっと好きだったと。良ければ付き合ってほしいと。


――すごく、嬉しかった。


ずっと、僕の片思いだと思ってた。ずっと、黄瀬君は人気者だから、僕のことなんか眼中にない。恋愛対象にすらなってないと思っていた。

だから、本当は泣きそうだったんだ。

本当は心臓が飛び跳ねるほど嬉しかったんだ。

本当は恋人同士になった黄瀬君と自分を想像したりもしたんだ。


本当は、本当は…



(………でも、僕は、ダメなんです。)



「…ごめんなさい。僕は、人とお付き合いは出来ません。」



口にしただけでさっきとは別の意味で泣きそうになった。鼻がツーンとして、心が悲鳴を上げてるような痛みを発した。



でも、僕は人とお付き合いは出来ない。僕は、人と結ばれる資格が無い。





…僕は、男でも、女でもない。




性同一性障害とかではない。僕の精神は女性だ。服も言葉も…まぁ一人称が僕なのは女性らしからぬ部分ですが…ですけど、僕は『女性』とは言えない。

僕は両性具有者、俗に言う「ふたなり」だ。

女性器もあるけど、男性器もある。

生理も来るけど、夢精もする。

どっちでもあって、どっちにもなれない。
中途半端な僕なんかが、ちゃんと男性である黄瀬君に、愛される資格なんかない。


…ちがう。こんな中途半端な自分を知られて、気持ち悪がられるのが怖い。


だから、嫌われないように、気持ち悪がられないように。
僕は黄瀬君のそばにいない方がいいんだ。いちゃだめなんだ。



だから僕は断った。断ったら、友達にまで戻れなくても、マネージャーと選手の距離ならいる事が出来ると思った。この身体のことがばれたらきっとその関係すら失ってしまう。


そう、思った。

でも…


「…じゃぁ、お付き合いできる人になってみせるっス!」


そうやって笑う黄瀬君は、やっぱり僕が好きになった黄瀬君で、その言葉がどれだけ怖くて、どれだけ嬉しかったかきっと黄瀬君には分らないでしょう。



その日から、黄瀬君はずっと僕に告白し続けた。
僕は嬉しくて嬉しくて仕方なかったけど、それでも了承するわけにはいかないから断り続けた。自分の所為で黄瀬君の時間を潰してることが申し訳なくて、諦めてほしくてワザと黄瀬君とは違う高校に行った。それでも黄瀬君はわざわざ下校時等うちの高校に来てはやっぱり僕に告白し続けた。


僕は、昔よりずっとずっと黄瀬君が好きになっていった。


黄瀬君とそういうことをする夢を見た。黄瀬君とつながりながら、竿を黄瀬君の手が包み込んで気持ちよくて…



「…っふ、ぅ……っ、」


部活の終わった後、マネージャーだから最後の鍵閉め等を引き受けて、誰もいなくなった体育館横の更衣室。
もう外も暗くて、部員もみんな帰った。あとは事務の人がいるぐらいで人の気配のない学校の端。

スカートをずり上げて、カモフラージュのための体操服のズボンの中に手を入れる。ボクサーパンツの上から自分のものをこすり上げて、想像する。


『黒子っち…気持ちいい?』

「ん…んぁ…」


まるで黄瀬君が触りながらささやいてくれているような、そんな想像。
刺戟を与え続けるとだんだんきつくなって、ズボンと下着を中途半端に下ろして、上下に扱く。


『あーあ、黒子っち、両方の口からだらだら垂れてるっスよ?』

「ふぅ…ん…っ…」


扱きながら穴にも指を入れて、抜き差しする。1本だけだったのを、慣れてきたら2本に。


『ふふ、ぴくぴくしてきた。もうイきたいっスか?』

「ん…!」

『イっていいよ、黒子っち…』

「んぁ…っ、黄瀬く…!」



「…はい。」



黄瀬君の声が聞こえた。

その瞬間に耐え切れない絶頂間が身体を走って、びゅくびゅくと射精してしまった。




「く、ろこ…っち…それ…」



整わない息のまま、僕はただ呆然と扉の方向を見るしかなかった。

そこには黄瀬君がいた。


――見られた。見られた。見られた!!!


恥ずかしさよりも恐怖が身体を支配した。
見られた。黄瀬君で抜いたところも、あってはいけない男性器も、自分の指をつっこんだ女性器も、見られた。


「あ、ああ…ああ゛ぁ…!!!」


おろしたズボンと下着を上げる余裕もなく、僕は自分の精液と愛液で塗れた手のままスカートを下ろして泣くしか出来なかった。

見られた。見られた。もう終わりだ。もう、終わりなんだ。


「うあああ゛ああぁ…っひ、あぁぁあ゛ぁ!」




「黒子っち…もしかして、『人と付き合えない』って、その所為だったの?」


こんな状況なのに、いやに冷静な黄瀬君の優しい声に、僕は泣きながらただ頷くしか出来なくて。
でも僕が頷いたのを確認した黄瀬君はふっと笑って見せた。



(…え?笑っ…た?)



「そっか。そっかぁ…黒子っち、オレのこと嫌いで断ってたんじゃなかったんだ…!」

「へ…っぷ!」


扉の位置からたった数歩で僕のところまで来て、そのまま僕を抱きしめた。


「よかった!黒子っち、オレのこと嫌いじゃなかったんスね!よかったぁ…!」


耳元の、本当に嬉しそうな黄瀬君のその言葉に、僕は安堵と嬉しさとでよくわからないままに、ただ泣いていた。





僕を抱きしめている黄瀬君の表情は、僕には見えなかった。



☆コメント☆
[天羽翼] 07-20 02:24 削除
この作品の続きがぜひ読みたいです!!

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