12/31の日記

05:35
復活:傷と鉄分と年越しそば(ヒバツナ?)
---------------



さて、今年も本日が最後ということで周囲は非常に浮き足立っている。サラリーマンは仕事納めもおわり自由な時間を満喫し、学生は宿題の少ない冬休みを満喫したりここぞとばかりにアルバイトをしたり。

そんな中中学生のオレは勿論アルバイトなんかできるはずもなく、というかする気もなく。ごろごろとゲームしたり友人と遊んだりチビたちの面倒を見たりとなんだかんだと騒がしい冬休みを過ごしている。

その騒がしくも確かに平和な冬休み中の年越しはあと6時間で新年となろう時間。




「さぁ、戦おうか。」


目の前には戦闘狂。背景は自分の部屋。


「な…なんで雲雀さんがオレの部屋にいるんですか?!てか、戦いませんよ!!なんで戦わないといけないんですか!!」

「ごちゃごちゃうるさいね。僕が戦いたいから戦うんだ。嫌なら力ずくで追い出してみなよ。」

「力ずくの時点で戦う事になってますから!」


オレの力いっぱいのつっこみもこの人にはどこ吹く風で意味がない。


「文句は後で聞いてあげるよ。気が向いたらね。」


ニィ、と嫌な笑顔をしたかと思うと一瞬後には目の前にその笑顔。そして腹に激痛。

そして悲しいかな、何度も何度も死にかけたオレの防衛本能が体を勝手に動かして飛ばされながらもすぐさまハイパー化して臨戦態勢に入ってしまう。
吹っ飛ばされて壁が壊れる直前で炎を調節して着地。


「…部屋を壊されたらたまらない。」


雲雀さんの横を飛び彼の背後の窓から外に出る。ハイパー化してると寒さが言うほど気にならないから楽だ。
外に出ればすぐさま彼も追って窓から出る。


「やっぱり君は楽しいね。わざわざ来て正解だよ。」

「…はやく終わらすぞ。」

「出来るならやってみなよ。」


勿論雲雀相手にそんなことできるわけが無かった。







「……っ、ひー!もう勘弁してください!」

「…フン」


一体どれだけ戦っていたのか。家の前で戦闘を繰り広げていたらいつのまにかギャラリーが…主にオレの家の中から…わいてきて、それでも止まない攻撃を避けてなんとか雲雀さんを動けなくしようと攻撃するが当たったり当たらなかったり。
お互い傷だらけの流血沙汰なのにギャラリーの中の母さんは喧嘩するのも仲良しな証拠だとにこにこしていた。

そして結局互いがぼろぼろになったところでオレがギブアップ。

そのまま寒いし怪我の手当てもするからとオレだけでなく雲雀さんも家へと入れられた。
最初は抵抗してた雲雀さんだけどリボーンの一声でしぶしぶ入った。何て言ったかは聞き取れなかったけど。

そして当然のように群れてるリビングへは行かず、オレと、なぜか用意された雲雀さんの分の年越しそばがオレの部屋に運ばれて手当てが終わって二人きりで蕎麦を食べる羽目になった。


(…って意味がわからないよぉ!!気まずいし!オレも下で食べたい…)


「…君の母親料理上手だね。これ市販じゃないでしょう。」

「あ。はい。毎年粉から母さんが作ってます。」

「ふーん。」

「……」


さっきまでお互い殴り合ってたのが嘘のように(いや見た目は互いに傷だらけ包帯だらけだけど)もくもくと蕎麦を食べる。


「…っ、た!」

「何」

「いや、口の傷にしみて…」

「僕だってしみてるよ。」

「…そうは見えません。」

「ムカつくけど傷の程は君と大して変わらないからね。どうせ君も口の中まだ血の味残ってるぐらいでしょ。」

「そうですね。」

「せっかくの年越し蕎麦が鉄分たっぷりの血の味とかもったいないね」

「なら戦いにこないでください。」

「せっかくだから今年最後に君の顔が見たかったんだよ。」

「そうですか。」



……ん?

なんか、変な言葉を聞いた気がしたけど、違うよね。
顔が見たかったって、多分戦いたくてって意味だし。うん。オレ普通に受け答えできたし。

うん。



…だから顔を赤くする必要ないだろ!!



ドクドクと勢いを増した血液が顔の傷を刺激する。

そんなオレを見ながら目の前の傷だらけの奇麗な人はクスリと笑うのだ。



「         」




今年最後の日。オレの耳に届いたのはとても心臓によろしくない、甘ったるい言葉だった。










君が好きだよ、綱吉

*******************

年越しヒバツナもどき。10年に一度のヒバツナの日があった今年。11年だから黒子っちってことで黒子にしようかとも思ったけどヒバツナが不足しすぎてて。

あとSSの黒子率高いから。

それでは皆様よいお年を!また来年!

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ