03/29の日記

06:06
黒子:最低な男と悪趣味な僕(黄黒)
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※黄瀬くんが最低です。下衆です。ヤリチンです。
黄瀬くんに夢見てる方やアホの子の黄瀬くんやかっこいい黄瀬くんや黒子っちすきすき大好き!な黄瀬くんがいい人にはお勧めできかねます。
※バスケしてません。
※黄瀬くんと黒子っちは同じ高校設定













「でも黒子っち、そんな最低な俺でも好きなんでしょ?」

彼がそういった瞬間、僕は絶望した。




黄瀬君はモテる。そんなことは中学からみんな知っていることだ。
しかし高校にあがると黄瀬君も慣れてきたのか、悪い方向へ女癖がついた。

端的にいってしまえば、浮気癖。

彼女がいう状態でもかまわず他の子に手を出してしまうのだ。くるもの拒まず状態で、ちゃんと彼女がいてもお構いなし。
おかげで黄瀬くんの彼女はころころ変わる。(浮気に耐えれずに女性が逃げるのだ)
そして去るものも追わないし追う必要もない彼はまた次の彼女を作る。この繰り返し。

まさに、最低な男である。イケメンでも許されないレベルだと思うのだが、どうしてか黄瀬君に言い寄ってくる女性は後を絶たない。



「いい加減黄瀬君は女性に刺されて入院すべきですよ。7ヶ月ぐらい。」

「具体的すぎて笑えないっスよ黒子っち。」

「僕なりの忠告ですよ。甘んじて受けてくださいこのヤリチンが。」

「コラ!かわいいお顔でそんなはしたない言葉言っちゃ駄目っス!」

「あーもー言動がいちいちイライラきます。」

「それでも友達でいてくれる黒子っちが大好きっスよ。」


下校途中のくだらない会話は毎日のもので。
そう。僕はこの最低な男の数少ない友達である。
たまたま中学からのよしみでなんとなく友人関係が続いている。一応他にも黄瀬君の友人と名乗れる人はいるが、すべて高校で別になってしまった。
そして高校に入ってからのこの体たらくでは高校で新しい友人ができる前に敵ばかりを作ってしまったこの最低男の現在唯一の男友達が僕だ。

「僕は黄瀬くんの友人ということで僕まで遊び人扱いされてる現状がすごくいやです。」

「え!?黒子っちが遊び人?ナニそれすっげー似合わない!!」

「本当ですよ僕はこんなにもまじめな友人に恵まれないだけの文学少年なのに。」

「自分でまじめとか言うと一気にうさんくさくなるっスね。」

「どの人類も君よりままじめですよ。」

「相変わらず酷いっス!」


でも黒子っち大好き!なんて軽く言う彼にイライラする。僕だって好きだから友人でいるんだ。


(ただ、彼の好きと僕の好きは違う。)


どうやら僕はとても悪趣味なようで、黄瀬くんを友人の意味とは違う好きなのだと自覚したのは、黄瀬くんの女癖が悪化してからだ。
ころころかわる彼女たちに嫉妬した自分。そして一時でも黄瀬君に触れてもらえる彼女たちを羨ましがった自分。しまいには彼女たちに自分を重ねている自分。そんなの自覚してしまえばいくら否定しても逃げられないだろう。

僕はホモだったのかと絶望する以前に、なんでよりによって相手がこんな女好きの最低なんだと悩みもした。しかし1ヶ月もなやめば馬鹿馬鹿しくなった。

黄瀬くんと付き合うとかそんなことはぜんぜん望んでいない…というと嘘になるが、少なくともすぐ捨てられる恋人よりはずっと一緒の友人のほうがいいと思った。

だから、僕だけはどんなに黄瀬くんが周りの男子から疎まれようとも友人でい続けるのだ。


〜♪

「お、メールっス。」

「現在の彼女からですか。」

「いや、友達から。」

「セックスフレンドですか。」

「まだしてないっス!」

「まだ、がついた時点でアウトですよ。この下衆男。」

「黒子っちの瞳が冷たい…。」

口でおちゃらけながらもメールに返信している様子を見ると、僕と別れた後に会う約束でもしているのだろうか。

次の信号を過ぎた交差点が僕と黄瀬君の分かれ道だ。


「じゃぁ黒子っち、また明日っス。」

「明日も無事に学校にこれたらいいですね。」

「無事っスよ!!不吉なこと言わないで!」

「はいはいまた明日。」

「うん。また明日。」



そうして僕の好きな人は見ず知らずの女性を抱きに行く。





そんな日常のある日の朝、彼は顔を腫らして登校してきた。
一瞬教室がしん、となったがすぐに平穏を取り戻す。

よってくる女子たちをあしらって僕の席の前に座る。


「殴られたんですか?」

「うん。どうやら彼氏持ちだったみたいでその彼氏が。」

「彼氏持ちに手出したんですか。」

「いや、女の子の方は彼氏いないって言うから!」

「それはオキノドクニ。」

「そんな棒読みで言われても心配されてる気がしないっスよ!てかモデルの顔殴るっスか普通!?おかげで事務所から当分女遊び禁止令でたっス。」

「当然ですね。これを気に全うな人になればいいんですよ。」

「えー…こんな思春期真っ盛りな性欲はどうすればいいんスか。」

「しりませんよ。」

「冷たい!俺黒子っちと違ってバリバリ性欲強あるんスから重大な事柄なんスよ!?」

「まるで僕が性欲がないみたいな言い方ですね。」

「いや黒子っちってそういったこと想像できないっスもん。ちゃんと抜いてる?」

「君に言う事柄ではありません。」

「あーこんな話してるからヤりたくなってきたのに女の子のアドレス全部消されたし禁止令破るの怖いしなぁ…。」

「朝からそんな下世話な話するためならすばやく自分の席に戻ってください。読書の邪魔ですしもうすぐHL始まりますよ。」

「はーい。」


すごすごと自分の席に戻る黄瀬くんの背中をみながら、僕は内心とても喜んでいた。

あの顔では当分モデル業は休みだし、女遊びも禁止。そうなれば、黄瀬くんと一緒にいれる時間も増えるのではないか。
今日の放課後にでも気晴らしと行って一緒に遊ぶ約束でもしよう。


そして放課後、暇をもてあました黄瀬くんは勿論僕の誘いに乗って、二人で買い物にいったり、ゲーセンにいったりと街をぶらぶらした。
そのときに僕は欲しかった新刊を、黄瀬くんはゲームを買って、いち早く買った物を堪能するために近くにあった黄瀬君の家に二人で行くことになった。


「おじゃまします。」

「散らかってるけどドーゾ。」

「本当に汚いですね。」

「そういうことはせめて口に出さないで欲しいっス!」

「まぁ今はゆっくり本が読めればどこでもいいのでいいんですけどね。」

「そっすか。あ、何か飲み物いる?」

「いりません。どうせ集中して飲まないので。」

「そっすか。」

そして部屋に入って、お互いがお互いの好きなことをする。部屋に入った最初はベッドを見てなんとも複雑な気持ちになったが、本に集中してしまえばなんてことない。この部屋でいったい何人の女性と行為をしていようとも「友達」の僕には関係ないのだ。

ベッドで寝転んでゲームをする黄瀬くんの横、ベッドによりかかって本を黙々と読む僕。
そんな別々の時間が流れていって、本も半分以上読めた頃。


「…黒子っちって後ろからみたら女の子みたいっスね。」

「目が腐ってるんですか?邪魔しないでください。」

「いや、肌白いしうなじきれいだし。髪もさらさら。」

そういいながら髪を梳いてくる手を無視して本に意識を向ける。
僕が完全に無視してると調子に乗ったのか、ススス…と人差し指がうなじから首筋を走った。

「…っ!」

思わずビクリと反応してしまって一気に顔に熱が溜まる。

「黒子っち、いい反応っスね。」

「く、くすぐったかっただけです!」

「えー?本当に?」

そういいながら黄瀬君の手は顔をなであごのラインをたどった後に耳をいじり始めた。
手つきがいやらしい。

「ちょ…黄瀬くんやめ…」

「…そんなにかわいく鳴かないでよ黒子っち。興奮する。」

「なに言ってるんですか、この馬鹿。もうやめ…っひぁ!」


おもわず変な声がでた。いつの間にか体を起こした黄瀬君に首筋を舐められたからだ。

「…っの変態!ふざけるのもいい加減に…!」

「いや、黒子っちがあんまりかわいいから…俺黒子っちとならヤれるわ。」

「ふざけないでくださいこの節操無し!女の子に手出せないからって気でも狂いましたか?」

「狂ってないっスよ。男の趣味はなかったけど、黒子っちかわいいし声も良かったしこれなら抱けるなって。」

「変態!」

口でののしっている間も黄瀬君の手が服の中に入って腰や胸をなでてくる。なるほど普段こうやって女性とそいうった行為に持ち込んでいるのか。まったくもって最低だ。

「黄瀬く…ほんと最低ですよ!」

腰をなでる彼の手をつかんで抵抗しながらつぶやいたら、黄瀬君はその僕の手をつかんでベッドまで引っ張り上げてそのまま押し倒した。

背景は見慣れない天井。そして見たことない表情の黄瀬くん。
おちゃらけてもモデルの顔でも、友達の顔でもない。

男の顔をした、黄瀬くん。

その瞳の中に写る僕の泣きそうな顔がなんとも滑稽だった。




「でも黒子っち、そんな最低な俺でも好きなんでしょ?」


そういいながら、僕の唇に彼の唇が触れた瞬間、とうとう涙があふれた。




(…とうとう僕も使い捨ての彼女たちと同じ立場になってしまうのか)



それは絶望以外のなにものでもなかった。



☆コメント☆
[いつき] 03-31 11:08 削除
やばい黄瀬がひどい……
報われないのが黄瀬くんだけに新鮮でした。

花宮さんも好きなんですが。

うん。いやでも、黄瀬ナイス。
全力で黄黒を応援します!!

[はじめまして] 04-14 13:36 削除
めちゃくちゃ好みの黄黒で感動しました!!
こんな最低な黄瀬君(笑)が好きなので、何十作品も黄黒探しましたが、なかなか見つからず…
ドストライクな小説をここで見れて嬉しかったです!萌え禿げます
更新は遅くてもなんでも構いません!あなた様の小説が大好きなので気長に楽しみに待ってます

[雅治] 04-18 17:41 削除
うむ、黄瀬はいい意味で最低野郎だ(笑)
ふつーにアリです、黒子かわいいです。
ってか黄黒好きです。
貴方の黄黒は俺得ですwww

[初めまして] 05-26 21:34 削除

この黄黒すっごく好きですっ!
最低な黄瀬くんサイコーです!思わずにやけました。

これからも更新楽しみにしてます&応援してます。

[潤丸] 07-04 16:24 削除

実は、黄瀬は黒子の事が好きでわざとやってたりしたらいい!

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