□第四話
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「遅いです。何刻迄オレを待たせば気がすむのですか。」



「…言伝がなけりゃ俺は此処に来たくも無い」



「…貴方に昇格試験の内容をお話ししようと思っていたのですが」



得意げに笑う水龍瀬に苛立ちながら仕方無く畳床に胡座をかき座る。



「今回の内容は戦績等ではありません。明確に言えば鬼遊戯、です」



「遊戯?」



「はい。」



無駄に快活な顔で左手を挙げると即座に屋根裏から降り立った全く同じ格好をした二人の忍者が俺の両脇に立つ。



「忍の長は迅、副が疾と言います。」



紹介をしたと思えば、両脇の忍は即座に消えた。



「あの同じ格好をした二人。屋敷の中から捜し出して下さい。但し、正しい忍の長を捕らえ再び此処へ。刻は今から子の刻迄とします。」
 


無茶苦茶じゃねーか…声無き反論は勿論水龍瀬には届く筈もなく。軽く舌打ちをし退室しようとすると背後から気配。振り向き様にそれ片手で受け取める。



「…何の真似だ」



「今回使用可能な武器です。健闘を祈りますよ」



長刀、水龍瀬が最も得意とする武器。



部屋に退室するや否や、早々に終わらせたかった俺は早速奴等を追った。



 
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