□第四話
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―――「…はぁっ、はっ…クソッ…」




見付からねえ…否、気配はする。だが何度も逃げられる。



「(流石、忍と言った所か…速い)」



増して長刀。むやみやたらと振るっては周囲に被害が被る。



「面倒くせえ事を、やらせやがる…」



滴る汗を拭い長刀を持ち気配のする方へと進む。



ある一室からする僅かな気配。襖を開け中に入るが瞬間、気配が消えた。



「…何処へ行きやがった…」



辺りを見回す。



「兄さん、此処や」



真上から癖のある訛り声。刹那、長刀をクナイで弾かれ仰向けに押し倒される。



「ちッ…!」



 
「いやぁ、よく分かったなぁ、ボクの気配。これでもかなり息殺してたんやで。死ぬかと思ったわ〜」



音を立てるような笑い声がうっとおしい。その上さり気なく急所を押さえ付け身動きが取れない態勢を強いられる。更に煩わしい。



「…退け」



キッ、と睨み付けると顔をジッと覗き込まれた。



「ほほ〜ぅ…兄さん別嬪やなぁ。肌も滑らかや」



着物の合わせ目にヒンヤリとした手がスルリと差し伸ばされ腹を撫で上げる。



「っ…!」



「色っぺえ…堪らねえなぁ!ボク、兄さんなら抱けるわ。むしろ大歓迎や」



指先が胸の飾りを掠りおもわ甘露な吐息が漏れる。



 
「…く、!」



「ふふっ…兄さん、この分やと初物やろ?最初は優しくしてやるさかい、安心し「冗談じゃねえ糞餓鬼!」ゴフッ!」



危うく流されそうになったがみぞおちに膝を叩き込み、着衣を整え気絶したふりをするそいつを足で踏み躙る。



「変態…質問に答えろ。もう一匹は何処だ」



「ぃでででで、兄さん怖い、兄さん怖い!ボクがそんな口軽な筈ないですやん!」



「そうか…で、何処だ」



「兄さん股間踏まんといてぇぇ!!ジリジリキツいわァァ!鉄鎧越しでも痛いんや!!」



これ以上喚かれると五月蠅い。取り敢えず縄で頑丈に縛り抱え上げる。忍者は軽い。一人捕獲だ。



「兄さん格好ええ…兄さんなら抱かれてもいいかもしれへ「死ね」グハァッ!」



水龍瀬の野郎の部屋迄持って行こうとしたが気が変わった。容赦無く池の中に放り込む。ザブンと水飛沫が光と屈折し美しい景色を広げた。



 



「俺に抱かれるには三百万年早ぇ。鯉と恋して鯉でも抱いてろ」



そいつと共に池に米の屑を撒き両手をはたいて背を向け歩く。



「…ぶはッ!ケホッ、ケホ…碧の見込んだ通り…しかし最後の冗談、酷過ぎや…」




































オマケ→

「…そこで何をしている、疾」



「ひっ!そ、漱明はん…いや、こっ、これには事情が「事情…?私の、庭を、荒らす、事情が…あるのか?」違うんどす!元はと言えば兄さん「殺す」ギャアァアァ!碧はん、御助け〜!!!」




















本当に終わり!
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